東京ふうが 24号(平成23年 冬季・新年号)

チベットの風になって 4

ミニエッセー「旅と俳句」

「チベットの風になって」(連載4回の最終回)

石川 英子
10.シガツェ タシルンポ寺

平成22年3月7日(日) 7時20分起床
朝食はホテルの2階にあるレストランにてチベット風の食事、コーヒー、バター茶何ばいでもお代り、やはりバター茶の味は寺には寺の、田舎には田舎、ホテルにはホテルの味があって慣れて来ると楽しみになる。
10時、ホテル出発。車がホテルを出て5分位の大きな交差点でエンストを起し、早朝の事とて大渋滞を起してしまった。運転手のラパ氏は警察の取り締りを受け、後日会社を通して幾何かの罰金を納付する事になって放免された。会社はラサの「那局(ナチュ)国際旅行社」である。ヤンツォンさんはシガツェの警察は態度が悪いとこぼしていた。
10時20分、シガツェ公安局にて「外国人旅行証」を取得する。突然行っても数日もかかる事もあるのだが、正人が日本から中国国際旅行社にインターネットで申し込み300元振り込んで置き、私と正人の菊のご紋のパスポートを持ってヤンツォン案内人とラパ氏と2人で行ったので15分位で発行された。ラサ市内だけに留まっている旅行者の場合はチベット入境証のみで良いのであるが、市外に出かけたり宿泊したりする外国人の旅行者は何かと手続きが大変なお国柄である。つまり正人と私がツアーを組んでチベットの旅行社に所属する日本語案内人と運転手をチベットに居る間は雇っていなければならないという事だ。

(つづきは本誌をご覧ください。)