東京ふうが32号(平成25年 冬季・新年号)

曾良を尋ねて

曾良を尋ねて <15>

40.江戸所為の幕藩体制と改易について

乾 佐知子

前回は曾良が20代のほぼ10年近く仕えた伊勢国長島藩が元禄15年に改易されたと伝えたが、この悲劇的な結末が一体どのような経緯によって成されたのか、当時の幕藩体制の実態について詳しく検証してゆきたい。

関ヶ原の合戦以降、家康が全国統治権を行使する中で大名や旗本の統制に力を入れたことは当然といえよう。
「徳川三百年」とはいうものの江戸幕府の開幕直後はまだ安泰といえる状態ではなかった。
その為家康は次々と法制度を制定し、「一国一城制」や「武家諸法度」等を発布した。
内容は

  1. 城郭修理の禁止
  2. 徒党の禁止
  3. 婚姻の許可制
  4. 参勤作法
  5. 大名国政

であった。
こうして幕府は武家法の体制を整えていった。
そしてその違反者には厳しい処分をもって臨んだのである。

(つづきは本誌をご覧ください。)