お– tax –

おしろいの咲きて最高学府裏　　小田絵津子　（東京ふうが通巻63号歳時記42より）【秋】

トテ馬車の馬の太脚赤のまま　　小田絵津子　（東京ふうが通巻67号歳時記46より）【秋】

仏塔の影稲刈に及びけり　　荻原芳堂　（東京ふうが通巻27号歳時記6より）【秋】

仲見世といふ花道を荒神輿　　小田絵津子　（東京ふうが通巻58号歳時記37より）【夏】

かいつぶりはづみをつけてもぐりけり　　荻原芳堂　（東京ふうが通巻28号歳時記7より）【冬・新年】

門松の藁を啄む放ち鶏　　荻原芳堂　（東京ふうが通巻32号歳時記11より）【冬・新年】

風花や真赤に焼けし硝子玉　　太田幸子　（東京ふうが通巻32号歳時記11より）【冬・新年】

新しき恋の始まる落し角　　大多喜まさみ　（東京ふうが通巻65号歳時記44より）【春】

夕風や水打つ茶屋の紺暖簾　　太田幸子　（東京ふうが通巻34号歳時記13より）【夏】

鎧より香の立ちのぼり菊人形　　小田絵津子　（東京ふうが通巻55号歳時記34より）【秋】

風花や五平餅焼く峠茶屋　　太田幸子　（東京ふうが通巻36号歳時記15より）【冬・新年】

沖待ちの船くろぐろと寒夕焼　　小田絵津子　（東京ふうが通巻68号歳時記47より）【冬・新年】

例幣使街道よぎる穴まどひ　　荻原芳堂　（東京ふうが通巻39号歳時記18より）【秋】

義士会も驚く高輪ゲートウエイ　　大多喜まさみ　（東京ふうが通巻64号歳時記43より）【冬・新年】

木洩れ日のこけし工房柿若葉　　太田幸子　（東京ふうが通巻42号歳時記21より）【夏】

艫綱のしづかな揺れや居待月　　荻原芳堂　（東京ふうが通巻43号歳時記22より）【秋】

子の髪を編む母の手や秋涼し　　太田幸子　（東京ふうが通巻35号歳時記14より）【秋】

隠沼の日向にゆるぶ蝌蚪の紐　　小田絵津子　（東京ふうが通巻57号歳時記36より）【春】

坂道のカフヱーでお茶を一葉忌　　長南憲章　（東京ふうが通巻37号歳時記16より）【春】

一葉忌昔ながらの駄菓子店　　大芦幸代　（東京ふうが通巻40号歳時記19より）【冬・新年】

法螺貝を吹き炎天の磴のぼる　　大芦幸代　（東京ふうが通巻30号歳時記9より）【夏】

恙なき証の汗と思ひけり　　小田絵津子　（東京ふうが通巻66号歳時記45より）【夏】

旧道に工事の車馬酔木咲く　　大芦幸代　（東京ふうが通巻41号歳時記20より）【春】

大道芸囲む人の輪秋の風　　長南憲章　（東京ふうが通巻35号歳時記14より）【秋】

弥撒告げる鐘の余韻や秋の暮　　太田幸子　（東京ふうが通巻31号歳時記10より）【秋】