潮の香の押しくる荒磯神の留守

高木良多講評
東京ふうが 平成24年 秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報329号~331号より選

潮の香の押しくる荒磯神の留守 堀越純

上五、中七までは平凡な写生であるが、下五の転換は非凡。沖縄では南の海の涯に神がいると信じられていていろいろの行事がある。この「神の留守」の下五にそのような島の国の信仰のような存在が感じられる秀句。