蟇目良雨講評
東京ふうが 平成26年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報352回〜354回より選
矢継ぎ早夜這星とぶ波の上 堀越純
流れ星を夜這星と言い換えたことで物語性が出た。「這う」という言葉の持つニュアンスが低い夜空を次々に流れる星とうまく響きあった。海辺でもよく、大きな湖畔の景色としてもいろいろ鑑賞がすすむ。
流れ星を夜這星と言い換えたことで物語性が出た。「這う」という言葉の持つニュアンスが低い夜空を次々に流れる星とうまく響きあった。海辺でもよく、大きな湖畔の景色としてもいろいろ鑑賞がすすむ。
上五、中七までは平凡な写生であるが、下五の転換は非凡。沖縄では南の海の涯に神がいると信じられていていろいろの行事がある。この「神の留守」の下五にそのような島の国の信仰のような存在が感じられる秀句。