春雷やもろみの眠る仕込蔵

高木良多講評
東京ふうが 平成23年 春季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報311号~312号より選

春雷やもろみの眠る仕込蔵 乾佐知子

 

「もろみの眠る仕込蔵」と春雷は関係がないようであるが遠い底の方でどこかつながっているように思える。ゴロゴロと鳴りながらもろみを育てている音のようにも思えるからである。このような季語の選び方には技術を必要とするところ。