刺青の龍は老いけり春一番

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成28年春季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報370回〜372回より選

刺青の龍は老いけり春一番  阿部旬

どきっとする句づくり。春一番が吹き着物の袖を捲くったのであろうか、腕に彫られた龍の刺青が見えてしまったのだが主人同様に老いぼれた龍になっていたということ。春一番では出色の句。