伊達巻に割るや九個の寒卵

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年冬季・新年号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報393回〜395回より選

伊達巻に割るや九個の寒卵   井上芳子

伊達巻は三個ほどの卵と繋ぎにはんぺんなどを使うので掲句の場合三本分の材料になろうか。大家族であることが想像される。数字の九は「寒九」の九に通じ季節感がより具体的になった。