お茶の水俳句会から秀句をご紹介します。
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第305回:胡麻の花・風の盆・秋意
お茶の水俳句会から秀句をご紹介します。
第305回 2010年9月13日(月) 於:文京区民センター
兼題:胡麻の花・風の盆・秋意、 席題:赤とんぼ・おしろいの花
おしろいが咲き裏町の灯り初む 高木 良多
てのひらを月に返して風の盆 蟇目 良雨
終バスの遠退く尾燈虫の闇 荻原 芳堂
虚無僧の尺八湿る秋意かな 鈴木大林子
吹き晴れし沼のほとりや赤蜻蛉 乾 佐知子
風の盆果て水音の戻りけり 花里 洋子
痛み止めゆるやかに効き秋意かな 井上 芳子
胡麻の花乾き切つたる大地かな 長沼 史子
茶柱のゆるがぬ今朝の秋意かな 石川 英子
帯決めて連を繰り出す風の盆 元石 一雄
東大寺まで奈良坂を油照 積田 太郎
筒鳥や崖に張りつく御師の家
高木良多講評
東京ふうが 平成22年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報302号~303号より選
筒鳥や崖に張りつく御師の家 荻原 芳堂
御師の家とは山岳宗教の祈祷師の家のことであろう。険しい崖に張りついているような住居のあたりに筒鳥が啼いている。筒鳥はぽんぽん鳥ともいう。実景の活写。