名の木の芽ひとつひとつに雨雫

高木良多講評
東京ふうが 平成22年春季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報298~301号より選

名の木の芽ひとつひとつに雨雫  蟇目 良雨

 

名の木の芽はたとえばしだれ梅のような大切にされている庭木の芽なのであろう。そこへ雨が通りかかったので、ひとつひとつに雨雫がたまっている写生の句、とり合わせの句ではない。「一物仕立ての句」となっている。とり合わせの句とくらべて難しいとされているが、努力すれば名句が生まれる。