東京ふうが58号(令和元年夏季号)

第19回「遊ホーッ」

洒落斎

① 幸せという字

来年の手帳を買ったら、その手帳発行所の手帳大賞の過去の名言に次の一言があった。

「幸せ」って字、逆さにしても幸せなんだね。

この一言は母親が葉書を書いている時に、息子がのぞき込んで言った言葉だそうで、住所の中の一文字を指で差して言ったとのこと。この注釈からすると次のような情景が浮かび上がってきます。多分小学3年生以上の息子がテーブルの母親の手前に座り、母親が書いている葉書を見て、幸せという字が逆さにしても同じことに気がついたのであろうと推察できる。この短い一言にこれだけの情景が込められており、しかも字が「幸せ」というのが素晴らしいと思う。

確かに逆さにしても幸せと言えそうです。以前に「遊ホーッ261」で、半回転すると同じ字(甲/由、末/半、単/東)と半回転しても同じ字(一、十、口、日、目、回、田、中、米、申、工、車、王)について記したが、この後者に「幸」も追加する必要がある。更に捜せばまだまだあるかもしれませんが、画数が多くなるとまず見つからない。車と幸は8画なので、このへんが限界かも知れません。


(つづきは本誌をご覧ください。)