令和4年秋季号 佳句短評

東京ふうが 令和4年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報450回〜453回より選

盆僧の茶髪にピアススケボーで  大多喜まさみ

 この句には驚いたので作者に聞いたら、こういう若い僧がいると言う。仏教界が人々に寄り添う時代になってお坊さんらしからぬ風体をすることも影響しているか。個人的には地獄を説くより好ましいと思っている。

ヨコハマのブルーライトや鰡の跳ぶ  高橋 栄

 当然「ブルーライトヨコハマ」が頭の隅にある。横浜港のブルーライトに照らされた夜の鯔に新味がある。

夕風やあをあを冷ます月見豆  弾塚直子

 月見豆(枝豆)を青々と冷ますところに俳句の味がある。一種の冒険だが成功していると思う。