俳句研究室 俳句鑑賞 2015年11月5日 蟇目良雨 「墨痕三滴」佳句短評 蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報396号以降) 令和5年秋季号 佳句短評 令和5年夏季号 佳句短評 令和5年春季号 佳句短評 令和5年冬季・新年号 佳句短評 令和4年秋季号 佳句短評 令和4年夏季号 佳句短評 令和3年冬季・新年号 佳句短評 令和3年秋季 佳句短評 令和3年夏季 佳句短評 令和3年春季 佳句短評 令和3年冬季・新年号 佳句短評 令和2年秋季 佳句短評 令和2年夏季 佳句短評 令和2年春季 佳句短評 令和2年冬季・新年号 佳句短評 令和元年秋季佳句短評 令和元年夏季佳句短評 令和元年春季佳句短評 平成31年冬季佳句短評 平成30年秋季佳句短評 平成30年夏季佳句短評 平成30年春季佳句短評 俳句鑑賞「墨痕三滴」 高木良多、蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報395号まで) 遥かなる世から吹きくる波の花 去年今年厨を城のごと守る 伊達巻に割るや九個の寒卵 奈良町に迷ふも愉し鳥総松 線下地も住めば都や枯木星 女子会も共謀罪か秋の暮 鳴砂山の砂の声きく夜寒かな 黙契として朝顔の蜜を吸ふ たまきはるいのちひと日や花さぼてん 行基葺までは届かず夏の蝶 浮城を緑雨すぎゆく曾良忌かな 桜貝軍艦島が沖に見ゆ 船に揺られ来て絵踏の地へ一歩 茂吉忌も二二六も雪の中 冬菜に塩ふればしきりに母のこと シドッチや釣瓶落しの牢屋敷 喘ぎ咲く月下美人の只ならぬ 刺青の龍は老いけり春一番 能登人はおほかた無口鰤起し 始まりも終わりも静か松手入れ 大夏野割って来たりし牧草車 春星をつなぐ鎖のあるごとし 初場所や華やぎてゐるひとところ 矢継ぎ早夜這星とぶ波の上 百合化して蝶となりしや書庫に蠋れ 秩父路に電車の響き桃節句 よく動く蟹を選りをり年の市 夏服の女子学生や鑑真廟 縁に干す母の紬や更衣 赤シャツは父の目印潮干狩 硝子戸の中の門松丸の内 潮の香の押しくる荒磯神の留守 緑蔭に身を反らしゐる大道芸 遠足の子らに風鐸鳴りやまず 綿虫の湧く峠路の没り日かな 新豆腐入荷と墨書なんでも屋 親子して探し物あり柿若葉 春雷やもろみの眠る仕込蔵 立春大吉鉱泉宿に兜太の書 真葛原風の荒ぶる吉野みち 筒鳥や崖に張りつく御師の家 名の木の芽ひとつひとつに雨雫