東京ふうが79号(令和6年秋季号)

 今、「俳句四季」に頼まれて「Legend 私の源流 皆川盤水」を3回に亙って連載する準備をしている。私が初めて俳句を始めて、沢木欣一と皆川盤水に師事したが、それは直接の師である高木良多先生から勧められたからであった。沢木先生には10年間教えを乞うたが、皆川盤水が「風」をやめて「春耕」一本にしろと命じたので、それに従って「風」を辞めてしまった。従って、私は皆川盤水から多くを学んだことになる。盤水は、いわゆる俳論というものを持たなかったが、俳句の面白さ、醍醐味を味わうコツを教えてくれた。私が今も、寸暇を惜しんで泥くさく俳句にかじりついているのは盤水のお陰である。
 なかでも「和楽」という言葉を教えられた。俳句を通して和楽を感じない人に俳句は必要が無いと言えるほど、「和楽」のこころは大切だと思う。
 また、「誰か一人、俳人を研究しろ」と言われたことにより、高野素十を選んで研究してきた。縦の繋がり、横の広がりがどんどん膨張してきて、俳句の深部が見え出してきたのである。
 皆さんにも、是非、研究に参加して貰いたい。本郷民男さんは韓国俳壇史の研究家として、多くの研究家から当てにされていることを誇らしく思う。私もそれに続くように頑張るつもりである。

蟇目良雨

 

目次


名句逍遙 <58> 蟇目良雨
 皆川盤水秀句鑑賞 
 高木良多秀句鑑賞 

作品7句と自句自解ちょっと立読み 

7

服部土芳の蓑虫庵遊艸

素十名句鑑賞・第17回 ちょっと立読み蟇目良雨

12随筆・韓国俳話あれこれ 24 ちょっと立読み本郷民男
 句集『朝鮮』・新年の句・春になり ほか 

16歳時記のご先祖様 (13)ちょっと立読み本郷民男

20ウズベキスタン旅行記ちょっと立読み弾塚直子

26私の愛唱句 (13)本郷民男

29

母音交替による造語の句

本郷民男

34墨痕三滴 (俳句選評)蟇目良雨

35あとがき

36句会案内

表3東京ふうが歳時記 <58> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)