東京ふうが78号(令和6年夏季号)

 暑い日々が続いています。残暑と言うには言葉が足りません。酷残暑とでも言いたいくらいです。このところお陰様で体の調子がよく仕事が捗っています。
 8月3日に京王線高幡不動で「あじさいまつり全国俳句まつり」が炎天下開催され、選者として参加しました。今回は仲間の入選率が低く残念でしたが、私は大きな収穫がありました。大会終了後、選者たちで酒を呑もうということになり、私も参加しました。参加した選者は星野高士(玉藻)、鳥居真理子(門)、福神規子(雛)、笹木弘(府中俳句連盟)、それに私です。5名で飲んだ席上で、星野高士さんにかねての疑問をぶつけました。
 「高野素十と星野立子のロマンスの結果生まれたのが椿さんですか」
 「いやあー、ヒキメさん。知らなかったのは私だけで、周りの人間からよく聞かされていました」
 「13年間この問題を追いかけて来ましたが、その記録を本にして出して構いませんか」
 「いや、構わないけれど、文字にして残ると俳壇史が引っくり返ってしまいますよ」
 「そうですね。まとめた資料を高士さんにお送りしますから、目を通してください」
 「読んでみたいですね」
ということでその日は終わりましたが、私が「東京ふうが」誌上で追いかけて来たことが間違っていなかったと確信した日でした。出版の話はゆっくり考えますが、今後高野素十の作品を鑑賞するときは、素十のおかれた状況を鑑みながら鑑賞をしないとおかしな鑑賞になることを多くの俳人に理解して貰いたいと思います。
 高士さんは、その他虚子の関東大震災で京都へ疎開した時のエピソードも教えてくれました。

蟇目良雨

 

目次


名句逍遙 <57>  蟇目良雨
  皆川盤水秀句鑑賞  
  高木良多秀句鑑賞  

作品7句と自句自解ちょっと立読み  

素十の名句の悲劇 蟇目良雨

10 素十名句鑑賞・第16回 ちょっと立読み 蟇目良雨

13 随筆・韓国俳話あれこれ 23 ちょっと立読み 本郷民男
  家集『合歓の花』・新年と春の句 ほか  

17 歳時記のご先祖様 (12)ちょっと立読み 本郷民男

20 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み (『春耕』より) 松谷富彦
  210 山に金太郎野に金次郎予は昼寝   三橋敏雄
211 子規は辞世の句を二度詠んだ
212 「俳句が好きでない、俳人も。」って?!(上)
213 「俳句が好きでない、俳人も。」って?!(下)
214 冬銀河子は目をあけて何を聴く  神沢利子
215 地に落ちるまでのいのちや春の雪  利子
 

26 私の愛唱句 (12) 本郷民男

29

句兄弟と現代

本郷民男

39 墨痕三滴 (俳句選評) 蟇目良雨

41 あとがき

42 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <57> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)