令和5年秋季号 佳句短評

東京ふうが 令和5年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報461回〜464回より選

上州のべえべえことば稲の花  古郡瑛子

面白い作品を作る人である。稲の花の咲く昼前に耳を澄ませていると農民たちが上州訛の「べえべえ」言葉で話し合っているのが聞えたのだ。赤城山の麓に育った作者には懐かしく聞こえて来たに違いない


すこしづつ我を失ふ花野道  弾塚直子

広々とした花野に立ったとき詩人の意識は段々薄れてゆき、今を忘れ過去を遡ったり、未来に飛んだりするのでは無いだろうか。花野には人生をリセットする力がありそうだ。


ポリバケツの田んぼに咲くや稲の花  伊藤一花

簡単に稲をポリバケツで育てると言っても様々な苦労があるのだろう。ようやく稲の花が開くところまで辿りついた努力も分かる。お米の収穫まで頑張って欲しい。