令和7年春季号 佳句短評

東京ふうが 令和7年春季号「墨痕三滴」より

お茶の水句会報481回〜483回より選


菜の花の野の明るさよ蕪村以後  良 雨

〈菜の花や月は東に日は西に〉を与謝蕪村が世に広めて以降、俳句の風通しは良くなったと思う。菜の花の野の明るさは以前からあったにしても蕪村の功績は大きいと作者は思っているのだろう。


一輪はまだ夢の中二輪草  里 香


同じように育って咲いて二輪あるから二輪草。一輪の成長が遅れてまだ眠っているように看做した作者の詩心が心地よい。


貼り足せし切手ちぐはぐ山笑ふ  武 子


郵便料金値上げは文化面で大いなる影響をもたらすだろう。それでも、三種郵便は適用が難しくなってきているが継続している。富安風生が逓信次官の時に吉田ワンマン首相を説得して出来た仕組み。大切にしたい。


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