令和7年夏季号 佳句短評

東京ふうが 令和7年夏季号「墨痕三滴」より

お茶の水句会報483回〜486回より選


鮎食めば美濃に育ちし父のこと  雅 子


調べもよく、鮎の句として類想が無い。娘はやはり、父を慕うのか。



初鰹どいてどいてとターレ駆く  若 子


ターレは魚河岸の中で運搬に使用する小型車。エンジンで動いたものが今は電動になった。初鰹なので至急に届ける必要がある。「どいて、どいて」は軽子の声。



着流しで土用二の丑鰻食ふ  一 花


土用も二の丑になると暑さが厳しくなることだろう。大好きな鰻を食べたいが、着流しで行くことを許せと言っている。


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