「俳句」タグアーカイブ

東京ふうが65号(令和3年春号)

編集人が語る「東京ふうが」65号

「東京ふうが」編集人より

俳句関係者で新型コロナウイルスに罹った知人は1人のみだが、彼は残念ながら亡くなってしまった。葬式にも参列できず、また現在は葬式は家族葬のみと仄聞する。

スペイン風邪で大正七年十一月に亡くなった、私の会ったことのない祖母の場合は普通の葬式が行われたようである。父が残してくれた文書の中から祖母の香典帖が見つかった。

祖母は岩手県宮古市の鍬ケ崎で生まれ育ち32歳のときスペイン風邪で亡くなった。遺体は桶の棺に入れて運び土葬され、葬儀には166名の参列者の名と香典の金額、又は品物が記されている。パンデミックに対する知識が無いと言えばそうかもしれないがせめてもの供養になったと思う。若くして亡くなり、若い時の美しい写真しか残さなかった祖母を香典帖を眺めながら想像している。
 

良雨

 

目 次


名句逍遙 <44>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

江戸花暦の早春 本郷民男
素十俳句鑑賞・100句  (4)ちょっと立読み 蟇目良雨

11 曾良を尋ねて 第48回 ちょっと立読み 乾佐知子
140─榛名山に消えた仙人は誰か
141─曾良は松平忠輝の「御落胤」か
142─謎の旅人、曾良は丹心つくしけり

14 他誌掲載記事
『WEP俳句通信』121号より
《近詠7句 深川知子》

15 随筆 「韓国俳話あれこれ」10ちょっと立読み 本郷民男
韓の夏空・風土と俳人 ほか

18 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
132 鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春  宝井其
133 七は「ひち」である
134 致死量の月光兄の蒼全裸  藤原月彦
135 肉弾の夜ごと夜ごとの世紀末  月彦
136 歳時記から消えた怖い季語の話
137 コレラとニホンオオカミの話

24 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

25 あとがき

26 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <44> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが64号(令和3年冬季・新春号)

編集人が語る「東京ふうが」64号

「東京ふうが」編集人より

新型コロナウイルスはワクチンの開発と接種によって終息するかのような期待を抱かせたが、「変種」を作り出して納まる気配はない。これは「スペイン風邪」のときと同じような経過をたどっていそうだ。100年前も足掛け3年に亘って第2波、第3波と繰り返し、世界中のほとんどの人に免疫ができた時点で収束したと言われている。

ワクチンも当にならないことも言われ、とにかくやり過ごすことが最大の防御に思える。人と人の交流が人間の生存理由だが、交流を断念させるのが新型コロナウイルスである。これは生物学的には何か意味があるのかもしれぬ。

オリンピックも開催出来ないと思う。

こんな時だからこそコロナ地獄のことを記録し続けてゆきたい。

良雨

 

目 次


名句逍遙 <43>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

正月の句について 本郷民男

素十俳句鑑賞・100句  (3) ちょっと立読み 蟇目良雨

11 随筆 「韓国俳話あれこれ」9ちょっと立読み 本郷民男
荷物を担ぐ人
汗で動く乗り物 ほか

14 良雨第4句集『九曲』鑑賞
『秋麗』藤田直子主宰からの手紙

17 他誌掲載記事
『雲』2021年1月号
『門』2020年12月号
『伊吹嶺』2020年11月号 より

20 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦

126〜131 ─新興俳句、何が新しかったのか


26 曾良を尋ねて 第47回 ちょっと立読み 乾佐知子
138─榛名山の白髪の翁は誰か
139─白髪の老翁と正願寺開基河浄西

28 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

30 あとがき

31 他誌掲載記事
『俳句年鑑』2021年版
『田』2020年12月号 より

32 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <43> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが63号(令和2年秋季号)

編集人が語る「東京ふうが」63号

「東京ふうが」編集人より

 断捨離、墓仕舞いは近年の流行になった。その原因を考えるのに、住宅の貧弱さと都会集中が挙げられるのではないだろうか。

 昔は旧家というものが地方にはあり、広い土地に蔵付きの屋敷があり蔵には何代もの貴重品が収められてきた。従ってその家で活躍した人間の資料は何代にも亙って保存されてきたのだ。都会で蔵付きの家を建てるのは不可能に近い。都会の便利さに惹かれて都会に住むと言うことは物を残せないことと同意義になった。

 私は、写真が好きで機会があれば記録として撮り溜めてきたものが相当量になった。写真位は断捨離出来るだろうと思って始めたのだが、思い出深いものばかりで捨てるに捨てられなかったので、殆どをデータ化しようと挑戦した。結構な時間を要したのと質の低下はしょうがなかった。今は、それを纏めて、見たい時に見られるようにする思案の最中である。

 戦後間もなくの農地解放という荒業が関係しているのではないかと思うこと仕切りである。

良雨

 

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名句逍遙 <42>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

「句集を読む」 小林文隆
他誌掲載記事 月刊誌『繪硝子』2020年12月号より

素十俳句鑑賞・100句  (2) ちょっと立読み 蟇目良雨

11 随筆 「韓国俳話あれこれ」8ちょっと立読み 本郷民男
朝鮮俳句一万集
どんな句集
先ずは新年の句
ほか

14 曾良を尋ねて 第46回 ちょっと立読み 乾佐知子
134─曾良の終演に関する一考察 Ⅰ
135─曾良の終演に関する一考察 Ⅱ
136岩波庄右衛門謎の終演について
137曾良の墓は「対馬」にもあった

18 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

20 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦

122夭逝の自由律俳人、住宅顕信(3)

123夭逝の自由律俳人、住宅顕信(4)
124松の廊下刃傷事件余話
125一手づゝ風植てゆく早苗かな 蓑笠庵梨一

24 他誌掲載記事 『草笛』2020年12月号より

25 お知らせ・あとがき

26 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <42> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが62号(令和2年夏季号)

編集人が語る「東京ふうが」62号

「東京ふうが」編集人より

編集人が語る

新型コロナウイルスによる世界的パンデミックの時代はひたすら耐えることしかないと言うことが実感できた。基本は「正しく恐れよ」と言うことである。幸い、正しく恐れて8ヵ月、何とか生き延びてきた。怖がらずに俳句に打ち込める自分を見て、俳句に育てられたなと感慨深いものがある。まだまだ頑張れるぞ!

蟇目良雨

 

目 次

 


名句逍遙 <41>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

素十俳句鑑賞・100句  (1) ちょっと立読み 蟇目良雨

11 随筆 「韓国俳話あれこれ」7ちょっと立読み 本郷民男
齋月庵松霧とその撰句の一部
橡面坊とその撰句の一部
省花堂茶遊とその撰句の一部
鼻つまりという踏絵
終わりに

14 追悼特集・石川英子
想い出・ご遺族からの書簡・略歴
英子さんの山岳俳句とエッセー

28 句集『九曲』識者鑑賞 他誌掲載記事
(『俳句四季9月号』より転載)
【座談会】最近の名句集を探る 第69回より
人と作品▷蟇目良雨 句集『九曲』

36 曾良を尋ねて 第45回 ちょっと立読み 乾佐知子
132岩波庄右衛門正字と対馬国について Ⅰ
133岩波庄右衛門正字と対馬国について Ⅱ

38 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
118糸瓜棚この世のことのよく見ゆる 裕明
119蟻地獄赤子に智慧の生まれけり  裕明
120夭逝の自由律俳人、住宅顕信(1)
121夭逝の自由律俳人、住宅顕信(2)

43 あとがき

44 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

46 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <41> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

女子会も共謀罪か秋の暮

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報390回〜392回より選

女子会も共謀罪か秋の暮  大多喜まさみ

現代の政治を軽妙に描いているが、いつの時代も初めは軽いことが気が付いてみれば大変なことになってきた。女性が何人か集まって「女子会」で世間話に花を咲かせている。が見方によっては出来たばかりの共謀罪の対象にならないか心配しているのだ。


鳴砂山の砂の声きく夜寒かな

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報390回〜392回より選

鳴砂山の砂の声きく夜寒かな  花里洋子

鳴砂山(中国では鳴沙山)は敦煌にある。砂山の天辺が風に吹かれて鳴くことから名付けられた。敦煌を訪れたここに宿泊したことで得られた句。古人が多く西域の防衛に駆り出されて此の辺りに来て故郷を偲んで泣いた故事を作者は思いだしているのだろう。


黙契として朝顔の蜜を吸ふ

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報390回〜392回より選

黙契として朝顔の蜜を吸ふ  蟇目良雨

黙契はおどろしい言葉だが、幼子が二人だけの秘密として朝顔の蜜を吸っている光景が思い浮かぶ。「二人だけの秘密よ・・・」「また、明日もね」といったところか。


たまきはるいのちひと日や花さぼてん

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報387回〜389回より選

たまきはるいのちひと日や花さぼてん  松谷富彦

咲き誇る花の命が一日のみの仙人掌の花であることよという句意。月下美人に代表される仙人掌の花の儚さを詠った。


行基葺までは届かず夏の蝶

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報387回〜389回より選

行基葺までは届かず夏の蝶  深川知子

夏蝶の行方を眺めていたら行基の葺いた瓦屋根までは届かずに飛び去って行ったと言っている。ここで行基葺とは行基が指導して葺かせた屋根瓦のこと。元興寺のそれが有名。夏蝶の高くは飛ばないことを具象化した。


浮城を緑雨すぎゆく曾良忌かな

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成29年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報387回〜389回より選

浮城を緑雨すぎゆく曾良忌かな  乾佐知子

曾良の忌日は宝永7年5月22日(1710年6月18日)頃とされている。曾良研究者の作者にとって曾良は故郷の偉人。浮城と言われる高島城の上をいま、緑雨が過ぎてゆく。曾良の里帰りのように感じた作者。