東京ふうが33号(平成25年 春季号)

「旅と俳句」2012インド漫遊の旅

「旅と俳句」2012インド漫遊の旅 <3>

10. 空路にも寄り道ウルラー 3月7日(水)

石川 英子

7時起床。バイキング朝食の後、8時チェックアウト。市街地の中は多少渋滞したが、カルカッタのニュータウンに入ると順調に車が流れ、IBM等のIT企業が立ち並ぶ地域を過ぎて高速道路に入ってからは時速80キロで走り、空港迄55分で着いた。ラムさんへ会社の料金千円の他100ルピーのチップ。空路のセキュリティチェックとチェックインが順調に済んだ。待合室には日本人女子大学生2人、男子学生1人が居た。座席は正人27D、英子34Fと離れて座る事になった。

 ベナレスの町へ向けて出発。11時5分の飛行機が15分も早く離陸し、1時間後にどこかに着陸した。乘客の半分位が降りたが我々は座席に乘ったままだった、新たな乘客を搭乘させる前にベナレスまで行く客の手荷物を1つ残らず確認して乗務員がシールを貼って行った。大韓航空機爆発事件の手口を防ぐのだと言う。チェックが済んだ機は新客を乘せてベナレスのバハトプル空港に着いた。

13時45分、私は皆について後階段を出た。正人が降りないと思ったら前方口からビル直通の通路を出て託送荷物受取所でおち合った。
14時20分、プリペイドタクシー券640ルピーを支払ってからガンジス川沿いのホテル迄乘ったが、途中で運転手が200ルピー上積みしてくれ、あれじゃ安すぎるとごね始めた。インドに来て10日目ともなるとこの手合いにも慣れて来る。息子に拒否されて黙った。インド人のタクシーや物売りにはこういう人が実に多いのである。タクシーが町の三叉路で止った、ガンジス川の神聖な流域迄は車もリクシャーも入らない決りだった。

(つづきは本誌をご覧ください。)