東京ふうが 29号(平成24年 春季号)

俳句紀行 アンコールワット

俳句紀行

アンコールワット

蟇目 良雨

近年は世界遺産ばやりで、何でも世界遺産に登録されているように思えてならない。このことを非難するつもりは無いが、なにやらありがたみが少なくなったような気がするのは私だけだろうか。
ここに書く話はもう十年も前の話になってしまったがとにかく暑い国の思い出話である。

アンコール・ワットはカンボディアの内戦が収まりつつある一九九二年にアンコール遺跡として世界遺産に登録され、一九九三年にはこの寺院の特徴のある三つの聖堂を描いたカンボジア国旗が制定された。

アンコール・ワットの意味は、サンスクリット語でアンコールは王都、クメール語でワットは寺院を意味する。タイのワット・ポー(暁の寺院)などにワットは使われていることからもわかると思う。大伽藍と美しい彫刻からクメール建築の傑作と称えられカンボジア国旗の中央に国の象徴として描かれている。

(つづきは本誌をご覧ください。)