東京ふうが34号(平成25年 夏季号)

銃後から戦後へ 26

東京大空襲体験記「銃後から戦後へ」その26

= 三八豪雪 =

鈴木大林子

地球温暖化の影響ですか、今年は例年に無い暑さが続き青息吐息の毎日を過しておりますが、こんな暑い日には逆に寒い話をした方が喜ばれるのではと思い、季節外れは承知の上で雪にまつわるお話をします。

時は昭和38年。正月気分のまだ残っている1月11日夜半に新潟・北陸地方を襲った白魔は猛威を振い、鉄道は完全にマヒ状態に陥ってしまいました。23日の夕刻に新潟駅を出発した上り急行「越後」は6日間に渡って随所で立ち往生。上野駅に到着したのは28日の8時28分ですから何と遅延時間は102時間23分という我が国鉄道史上ワーストワンの遅延を記録。豪雪による国鉄の換害額は当時の金で52億円にものぼりました。白魔は更に山陰から北九州にまで足を伸ばし、全国で死者230人、全半壊家屋1700棟という被害をもたらした揚句、2月18日に漸く収束を見ました。

(つづきは本誌をご覧ください。)