東京ふうが 24号(平成23年 冬季・新年号)

銃後から戦後へ 16

東京大空襲体験記「銃後から戦後へ」その16

いつか見返してやる

鈴木大林子

前回は採用即転勤というあまり例のない措置ながら何はともあれ晴れて正規の国鉄職員である本官に採用され、転勤先の横浜機械区へ初出勤するところまで書きました。

ところでこの機械区という職場、一般の人には知られていないどころか国鉄生活40年というOBの方でも知らないという人が多い、中には機関区のミスプリントではないかと思われる人もいるくらい知名度の低い職場ですが、これでも歴とした独立の職場。もっとも機関区を横綱とすれば幕下ぐらい格は違います。このような例は他にもあって、電車区(電車の運転と整備を担当する花形職場)と車電区(貨車等のバッテリー充電を担当する最も地味な職場)、電力区(電車や電気機関車へ電気を送るための電線の保守を担当する重要な職場)と電務区(無線電信を担当する職場)等々、同じ区と言っても大は1000人近い区員を擁する所から小は区長以下10数人の所まで千差万別で、これを皆さんお馴染みの駅に例えると千数百人(当時)の東京駅と田舎の無人駅もどちらも駅と言うのと同じところです。

(つづきは本誌をご覧ください。)