曾良を尋ねて
34.曾良と諏訪家に関する一考察
乾 佐知子
前回、曾良が江戸で頼ったのは三井之親ではなく髙島藩の諏訪家だったのではないか、と述べた。つまり曾良の2年間の詳しい行動を知る為には、諏訪家の江戸での詳細な記録を知る必要があった。そこでいろいろ調べていた所、中野図書館から四ッ谷にある「新宿歴史博物館」に該当する資料があるとの連絡を受けた。
髙島藩は信濃国の一部を領有する譜代小藩であるが、克明に調べるには地元の諏訪まで行って探さねば駄目かと思っていたので、こんなに近くに探していた資料があったとは、その幸運に喜んだ。多分長野と新宿が姉妹都市という関係であろう。早速窓口で事情を話すと、当の蔵書は貸し出し禁止なので閲覧のみという条件で奥の部屋から持って来てくれた。
(つづきは本誌をご覧ください。)