八千草日記
(25)茶の花
高木良多
茶の花や押せば鳴るなり木戸の鈴 良 多
「茶の花」は、歳時記では「茶の花」として掲載されてあるが、植物大図鑑では「チャ」とのみでつぎのように解説している。
「805年最澄が唐から葉用を主として持ち帰って、栽植してからさかんになり、1191年栄西が製法とともに宋から持ち帰り広まった。以下略」とあるからかなり古い時代から日本に伝えられてきた植物であることが分かる。
わが家の茶の花はいつ頃から植えられていたものか不明であるが裏木戸の柱につけた鈴が押せばチャリンと鳴るので茶の花の蕊の黄色と合っていてふさはしい。
茶の花のわづかに黄なる夕べかな 蕪 村
茶の花も崖も静かにこぼれゐる 秋桜子
(25/11/1)
(つづきは本誌をご覧ください。)