ニーハオ中国俳句の旅 14
俳句紀行・番外編
超南ぶらりぶらり
蟇目 良雨
4月29日平成13年(2001年)初夏
成田国際空港 JAL-759 17:30発
成田を発てば
美しき植田の鏡敷き並べ
まほろばの国癒さんと藤の雨
ヴェトナム人民共和国タンソンニャット国際空港に着く 21:25
ビーズの胸飾り
飛行機は太陽を追い西行するが太陽の逃げる速さに追い付けず闇の中に取り残されてゆく。
まだ明るかった日本を飛び立った飛行機は6時間後には夜の闇の中を漂っている。 飛行機がようやく町の明りをとらえると、ここは待ちに待ったホーチミン(旧サイゴン)市である。見下ろす町の明りはビーズの胸飾りのような形で一つ、二つとその数を増して来る。短いもの長いもの枝を幾重にも伸ばしたものもあり形はさまざまだ。
郷愁を誘う大粒の橙色の街灯と取り澄ました蛍光色の水銀灯や蛍光灯の燈が織りなすビーズ細工は戦争を済ませたばかりの大地を癒すように横たわり輝いている。
美しい国に来たものである。
(つづきは本誌をご覧ください。)