八千草日記
(17)吉祥草(きちじょうそう)
高木良多
澤木欣一句集の鑑賞の稿成りて
灯籠へ吉祥草の花かかげ 良 多
吉祥草の花は歳時記には取り上げられていないようであるが植物大図鑑によると「和名は、漢名吉祥草の字音からとったもので、本種は常に花がなく、栽植している家に吉事があると花開くという伝説による」とある。
前書きにあるとおり澤木欣一句集12巻の鑑賞が成ったという喜びを一句にあらわしたという句。
灯籠はわが家の石灯籠で名ばかりの灯籠であるが、吉祥草が花を帆柱のように高くかかげ灯籠と並び立っているのを見て吉祥草もわが家の喜びをあらわしているようであるよと詠んだのである。我田引水といえようか。
(25/10/18)
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