八千草日記
(19)石蕗咲く
高木良多
石蕗咲くや柱のやうな花茎立ち 良 多
歳時記では主季語の「石蕗の花」に副季語として「橐吾(つわぶき)の花」「石蕗(つわぶき)」「石蕗黄なり」「石蕗咲く」を挙げている。
植物大図鑑によると「和名はフキに似て葉は光沢があるのでツヤブキの転訛といわれる。食用・葉用に供する」とある。旅先の福島県、新潟県でも見たことがあるので、そのあたりが北限のようである。
どこで手に入れたものであるかは不明であるが、あやめのために作った我が家の庭先の田んぼの縁に今年も忘れずに目をたのしませてくれている。
葉も花も原色で、花茎は柱のように直立してたくましい。
地軸よりぬき出て咲けり石蕗の花 石 鼎
(25/10/24)
(つづきは本誌をご覧ください。)