季刊俳誌東京ふうが平成28年春号(通巻45号)表紙

東京ふうが45号(平成28年春季号)

「旅と俳句」 台湾紀行Ⅱ

原住民族の高地と町を訪ねて(1)

石川英子

1・序
2・台北・孫逸仙史蹟記念館     3月20日(日)
3・阿美族と太魯閣族の町花蓮    3月21日(月)
4・太魯閣渓谷へ高地民族を訪ねる  3月22日(火)
5・台東県へ・花東公路山線     3月23日(水)
6・プユマ族の山地・知本森林遊楽地 3月24日(木)
7・台東市から台北市・新北市へ   3月25日(金)
8・孫中山紀念館見学・帰国     3月26日(土)


1 序

2月初旬、台湾南部に大地震があり、マンション崩壊のニュースが毎日流れたので台南旅行を諦めていた。3月に入り、息子が台南と高雄を除けば何とか行けそうだと、急遽チケットを手配。太平洋に面した花蓮と台東の高地民族に会って来ようと大雑把な計画の元にぶらりと台湾への旅に出発した。

2 台北・孫逸仙史蹟記念館     3月20日(日)

5時起床。7時半、成田空港第二ターミナル着。荷物預け。空港内の三省堂書店にて、暇潰しの文庫本を購入。家紋研究家の上絵師、泡坂妻夫著『家紋の話』(角川文庫)。免税品店の店々を見て楽しむ。

9時10分、搭乗手続き開始。9時50分、離陸。小雨模様のため雲海を抜けたが、富士山は頭も見る事が出来ず、機内食となる。野菜煮〆と玉子焼弁当に白ワイン。『家紋の話』を眺めている内に台湾時間12時半、桃園国際空港着。入国審査が混雑していたため、両替を済ます。5万円=1万4千百元。手数料30元。台湾元の1元は、3円55銭くらい。
13時、通関。13時20分、空港を出てホテルへ。14時、天源大飯店着(大同区重慶北路一段)。
15時、小休止の後、花蓮行きの切符購入のため台北駅へ。日曜日特有の景色に驚いた。駅の内外はフィリピン人等の出稼ぎ労働者で溢れ、ネッカチーフの女性達が同郷の友人知人と駅の柱の元などに集まり、車座を作って弁当や茶菓を楽しみつつ、交流し睦み合っていた。男子も中年の労働者も、自分の近況と職場の話に花が咲く。随分と心強い事だろう。
台北〜花蓮の特急運賃は、一人440元。
雑踏を抜けて日本人向け売店を巡ると、昨年と同様に菓子舗の源吉兆庵には七段飾りの雛人形が飾られ、日本に於ける3月3日の女児を祝う雛祭りの由来とお祭の説明が、漢語と英語で板書されて通行人が目を止めていた。1個150元(525円)の高級どら焼を2個買ってから、無印良品の店で小買物。


(つづきは本誌をご覧ください。)