東京ふうが 令和3年春季号「墨痕三滴」より
鳥帰る沼は太古の色湛へ 深川知子
水鳥が太古のころから日本に渡ってくる事実に感動したのだろう。力強い一句になった。
青春の彷徨に似て蜷の道 松谷富彦
蜷の道は水底に当てどなく描かれている。その形が作者の青春の彷徨に似ているとしみじみ感じ入っている。
雛僧の箒にからむ春の蝶 小田絵津子
雛僧は小僧のことで「すうそう」「こぞう」「ひなそう」などと読む。小僧が結界を掃除中に箒にからむ春の蝶。のどかな心なごむ光景だ。
水鳥が太古のころから日本に渡ってくる事実に感動したのだろう。力強い一句になった。
蜷の道は水底に当てどなく描かれている。その形が作者の青春の彷徨に似ているとしみじみ感じ入っている。
雛僧は小僧のことで「すうそう」「こぞう」「ひなそう」などと読む。小僧が結界を掃除中に箒にからむ春の蝶。のどかな心なごむ光景だ。
ワクチンも当にならないことも言われ、とにかくやり過ごすことが最大の防御に思える。人と人の交流が人間の生存理由だが、交流を断念させるのが新型コロナウイルスである。これは生物学的には何か意味があるのかもしれぬ。
オリンピックも開催出来ないと思う。
こんな時だからこそコロナ地獄のことを記録し続けてゆきたい。
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1 | 名句逍遙 <43> | 蟇目良雨 |
皆川盤水秀句鑑賞 | ||
高木良多秀句鑑賞 | ||
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2 | 作品7句と自句自解ちょっと立読み | |
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7 | 正月の句について | 本郷民男 |
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8 | 素十俳句鑑賞・100句 (3) ちょっと立読み | 蟇目良雨 |
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11 | 随筆 「韓国俳話あれこれ」9ちょっと立読み | 本郷民男 |
荷物を担ぐ人 汗で動く乗り物 ほか |
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14 | 良雨第4句集『九曲』鑑賞 『秋麗』藤田直子主宰からの手紙 |
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17 | 他誌掲載記事 『雲』2021年1月号 『門』2020年12月号 『伊吹嶺』2020年11月号 より |
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20 | コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み (『春耕』より) |
松谷富彦 |
126〜131 ─新興俳句、何が新しかったのか |
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26 | 曾良を尋ねて 第47回 ちょっと立読み | 乾佐知子 |
138─榛名山の白髪の翁は誰か
139─白髪の老翁と正願寺開基河浄西
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28 | 墨痕三滴(佳句短評) | 蟇目良雨 |
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30 | あとがき | |
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31 | 他誌掲載記事 『俳句年鑑』2021年版 『田』2020年12月号 より |
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32 | 句会案内 | |
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表3 | 東京ふうが歳時記 <43> | 編集部選 |
孤独地獄などという言葉は使うまいと思ってきたが、妻の危篤を見てやがて来る孤独な生活を思うと妙に親しい言葉になってきた。寒晴の路地裏に立ち空を見上げていた時の感懐である。
杉田久女が亡くなって七十五年が経った。久女に思いを馳せる人は一月二十一日が近くなると色々感懐に耽る。松葉の細かい針にまでしんしんと降り積もる雪を見て、寒さの中で孤独死した久女を偲んでいるのである。
江戸っ子の何でも見てやろうという野次馬根性が身に着いた漱石と子規がいたことは日本にとって幸せであった。英文学を学んだといえ根は東洋の美が沁みついていた漱石は何でも禅問答のように落着しないと気が済まない。鏡子夫人以下子供達にも無理難題を吹きかけたらしい。作者も小倉女らしく筋を通さなければ済まない性格。だから人間関係は楽しいのだ。
この句はある年代に達しないとなかなか理解できないのではないだろうか。離婚や病没による別れなどが待ち受けている現世で夫婦のままで老境を迎えることは実は奇跡に近いことだと思うようになった。月並みのことを言っているようだがそれが尊いと思える年代になったし俳句の読みも深まったと思う。
断捨離、墓仕舞いは近年の流行になった。その原因を考えるのに、住宅の貧弱さと都会集中が挙げられるのではないだろうか。
昔は旧家というものが地方にはあり、広い土地に蔵付きの屋敷があり蔵には何代もの貴重品が収められてきた。従ってその家で活躍した人間の資料は何代にも亙って保存されてきたのだ。都会で蔵付きの家を建てるのは不可能に近い。都会の便利さに惹かれて都会に住むと言うことは物を残せないことと同意義になった。
私は、写真が好きで機会があれば記録として撮り溜めてきたものが相当量になった。写真位は断捨離出来るだろうと思って始めたのだが、思い出深いものばかりで捨てるに捨てられなかったので、殆どをデータ化しようと挑戦した。結構な時間を要したのと質の低下はしょうがなかった。今は、それを纏めて、見たい時に見られるようにする思案の最中である。
戦後間もなくの農地解放という荒業が関係しているのではないかと思うこと仕切りである。
良雨
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1 | 名句逍遙 <42> | 蟇目良雨 |
皆川盤水秀句鑑賞 | ||
高木良多秀句鑑賞 | ||
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2 | 作品7句と自句自解ちょっと立読み | |
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7 | 「句集を読む」 小林文隆 他誌掲載記事 月刊誌『繪硝子』2020年12月号より |
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8 | 素十俳句鑑賞・100句 (2) ちょっと立読み | 蟇目良雨 |
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11 | 随筆 「韓国俳話あれこれ」8ちょっと立読み | 本郷民男 |
朝鮮俳句一万集 どんな句集 先ずは新年の句 ほか |
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14 | 曾良を尋ねて 第46回 ちょっと立読み | 乾佐知子 |
134─曾良の終演に関する一考察 Ⅰ
135─曾良の終演に関する一考察 Ⅱ
136─岩波庄右衛門謎の終演について
137─曾良の墓は「対馬」にもあった
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18 | 墨痕三滴(佳句短評) | 蟇目良雨 |
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20 | コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み (『春耕』より) |
松谷富彦 |
122─夭逝の自由律俳人、住宅顕信(3) 123─夭逝の自由律俳人、住宅顕信(4)
124─松の廊下刃傷事件余話
125─一手づゝ風植てゆく早苗かな 蓑笠庵梨一
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24 | 他誌掲載記事 『草笛』2020年12月号より | |
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25 | お知らせ・あとがき | |
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26 | 句会案内 | |
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表3 | 東京ふうが歳時記 <42> | 編集部選 |
遥か昔のことであるが結婚を約束した今の妻と密会した後の気持ち。妻は現在、風前の灯の命であるが、居るだけで安心する。甘いと言われようがどんどん妻恋の俳句を作るつもりだ。
若々しい作品。浴衣を着て花火を見に行くのかと思ったら、アラン・ドロンに会いに行くと言う。昔の一こまか、或いは映画にでも行ったのかな?
2020年を象徴する人物のトランプとバカ殿がいる。今年の漢字に「密」が選ばれたが、人物では作者の言っている米国大統領ドナルド・トランプとコロナで無くなったバカ殿の志村けんの二人だろう。的確な指摘だ。
●同人●
平成29年「お茶の水句会」入会。
「春耕」会員。
●同人●
平成27年 「お茶の水句会」入会。
「春耕」会員。