「通巻39号」タグアーカイブ

矢継ぎ早夜這星とぶ波の上

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成26年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報352回〜354回より選

矢継ぎ早夜這星とぶ波の上 堀越純

流れ星を夜這星と言い換えたことで物語性が出た。「這う」という言葉の持つニュアンスが低い夜空を次々に流れる星とうまく響きあった。海辺でもよく、大きな湖畔の景色としてもいろいろ鑑賞がすすむ。


東京ふうが39号(平成26年秋季号)

編集人が語る「東京ふうが」39号

「東京ふうが」編集人より

39_cover俳句に対する姿勢として「俳句ポケット論」がある。これは右のポケットに生業を入れ左のポケットに俳句を入れるという意味である。
生活を支える仕事をきちんと持ってこそ心豊かな俳句が出来るという考えである。
確かにこういわれてみると著名俳人にはしっかりと仕事に業績を残している先人が多い。秋櫻子は医師、誓子は住友社員、風生は逓信官僚、素十も法医学者だ。例外は虚子であろう。最初から文藝で食おうとしている。そして少しも厭らしくない。小説家のように文筆に命を懸けている。
結局、どちらと言うことはできないのだろうが、自分が今、生活に困ればどんな句を作るのか興味がある。

蟇目良雨

 

目 次

名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(18) 高木良多
良多俳句の鑑賞(18) 蟇目良雨
作品七句と自句自解「秋季詠」ちょっと立読み
墨痕三滴(俳句選評) 鑑賞:蟇目良雨
(お茶の水句会報352~354号より選んだもの)

寄り道 高野素十論 < 10 >ちょっと立読み 蟇目良雨
14 曾良を尋ねて < 22> 乾 佐知子
『奥の細道』までの道程 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲちょっと立読み
17 旅と俳句 新涼のハルビン・大連紀行ちょっと立読み 石川英子
21 八千草日記 高木良多
(7) 螢 袋(ほたるぶくろ)ちょっと立読み
(8) 蓮華升麻(れんげしょうま)
23 沢木太郎編 『沢木欣一全句集』の読後感 高木良多
25 エッセイ 晩秋の香取 伊能忠敬の墓など 石川英子

26 読者からのお便り

28 インフォメーション 他誌掲載作品
角川『俳句』10月号 我が夜長 蟇目良雨
月刊『俳句会』10月号 沙羅落花 高木良多

30 会友招待席(会友句鑑賞)ちょっと立読み 高木良多

31 後 書 蟇目良雨

表3 東京ふうが歳時記 < 18 >【 秋 】 編集部選