高木良多講評
東京ふうが 平成25年 秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報340号~343号より選
夏服の女子学生や鑑真廟 井上芳子
鑑真は唐の学僧で日本律宗の祖。七五三年に来日のときの暴風のために失明したが聖武上皇以下に授戒、のち唐招提寺を建立・鑑真廟に祀られている。今日はセーラー服の女子学生が大ぜい見えている。
鑑真廟と夏服の女子学生の対象が鮮やかに描かれていて良い。
鑑真は唐の学僧で日本律宗の祖。七五三年に来日のときの暴風のために失明したが聖武上皇以下に授戒、のち唐招提寺を建立・鑑真廟に祀られている。今日はセーラー服の女子学生が大ぜい見えている。
鑑真廟と夏服の女子学生の対象が鮮やかに描かれていて良い。
高木良多が連載していた澤木欣一の句集研究が一冊に纏まり、『俳人澤木欣一 行脚の風景』として出版された。
また、蟇目良雨の「寄り道 高野素十論」は四Sと呼ばれた高野素十の絶頂期に何が起こったかを研究。虚子と素十と秋櫻子の微妙な関係を描いて興味尽きない。
乾佐知子の「曾良を尋ねて」は、芭蕉が深川へ引退したのは綱吉将軍就任の際のトバッチリを受けてのことという説を引用しハラハラドキドキになる。
このほかの読み物と俳句も都会の哀愁を掬い稀有な俳句集団と言えるだろう。
蟇目良雨