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大夏野割って来たりし牧草車

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成27年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報362回〜364回より選

大夏野割って来たりし牧草車 乾佐知子

大夏野の中を分けてはっきりとやってくるのは牧草車。牛馬の飼料にする夏草を刈ってそれを運んでくる。草はロールにされて保管される。揚句は大夏野を刈り取りながらロールに仕上げる高級な牧草車かも知れぬ。新しく刈った草の筋がはっきりと見えてくる。


東京ふうが42号(平成27年夏季号)

編集人が語る「東京ふうが」42号

「東京ふうが」編集人より

季刊俳誌東京ふうが 通巻42号 平成27年夏季号東京ふうがに二つの連載ものがある。
一つは乾佐知子さんの「曾良を尋ねて」で、曾良の出自から解き明かす論調に思わず唸ってしまう。江戸時代の封建社会にあっていくら風雅の道でも社会のくびきから逃れられないため本人の意思とは違う人生を歩まされたことが資料を使って説得力がある。芭蕉も多分同様の生き方を迫られたであろうと容易に推察できる。ぜひ本文でお読みいただきたい。
もう一つ 小生の「寄り道 高野素十論」である。これも本文でご覧いただきたい。歴史に埋もれた俳句の面白さをお分かりいただけると思う。

蟇目良雨

 

目 次

1 名句逍遙
欣一俳句の鑑賞<21> 高木良多
良多俳句の鑑賞<21> 蟇目良雨

2 作品7句と自句自解ちょっと立読み

7 八千草日記 高木良多
<13> 百合化して蝶となるちょっと立読み
<14> 半夏生草(はんげしょうぐさ)

8 墨痕三滴(俳句選評) 蟇目良雨

10 寄り道 高野素十論 13ちょっと立読み 蟇目良雨

21 富田直治俳句の詩魂ちょっと立読み 高木良多

23 曾良を尋ねて 第25回 乾佐知子
71 『奥の細道』出発日の謎について Iちょっと立読み
72 『奥の細道』出発日に関する二通の書簡
73 -小菅における伊奈郡代屋敷-
74 -養源院と清水寺-

28 第3回 遊ホーッ 洒落斎
①福島第一原発の立地ちょっと立読み

30 旅と俳句 台湾紀行(一) 石川英子
1. 台湾紀行序ちょっと立読み
2. 3月12日(木)出発
3. 3月13日(金)国立故宮博物院見学
4. 3月14日(土)台北市中心街観光

37 インフォメーション●他誌掲載作品・書評など

40 会友招待席・会友句添削と鑑賞 -句を磨く- 高木良多

41 あとがき

42 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <21> 編集部選