蟇目良雨講評
東京ふうが 平成27年春季号「墨痕三滴」より
春星をつなぐ鎖のあるごとし 鈴木大林子
春の夜空は少し濁っている気がする。星座も冬の夜空に見えるすっきり感がなくなる。そして良く見ると互いが連結しているように見える。これを鎖のあるごとしと捉えたのであるが、春の星だから言えることである。
春の夜空は少し濁っている気がする。星座も冬の夜空に見えるすっきり感がなくなる。そして良く見ると互いが連結しているように見える。これを鎖のあるごとしと捉えたのであるが、春の星だから言えることである。
5月に杉田久女研究者の坂本宮尾さんの講演を伺ったが、坂本さんは「虚子が久女の句集出版を認めなかった理由が、調べれば調べるほど分らなくなってきた」という。
「東京ふうが」で考察している「寄り道 高野素十」はまさにこの辺りにメスを入れつつあると思うが如何。
1 | 名句逍遥 | |
欣一俳句の鑑賞(20) | 高木良多 | |
良多俳句の鑑賞(20) | 蟇目良雨 | |
|
||
2 | 作品七句と自句自解「春季詠」ちょっと立読み | |
|
||
6 | 墨痕三滴(俳句選評) | 鑑賞:蟇目良雨 |
(お茶の水句会報359~361号より選んだもの) | ||
|
||
8 | 「高幡高麗氏の残像」 | 高木良多 |
峰岸純夫先生の講演要旨- | ||
|
||
12 | 八千草日記 | 高木良多 |
(11) 金柑の花ちょっと立読み | ||
(12) 篝火草(かがりびそう) | ||
|
||
13 | 【特集】若月瑞峰と高橋由一ちょっと立読み | 高木良多 |
|
||
15 | 寄り道 高野素十論 < 12 >ちょっと立読み | 蟇目良雨 |
|
||
26 | 曾良を尋ねて < 24> | 乾 佐知子 |
関係諸藩と伊奈家との関わり ほかちょっと立読み | ||
|
||
29 | 旅と俳句 新涼のハルビン・大連紀行<3>ちょっと立読み | 石川英子 |
|
||
34 | 第2回 「遊ホーッ」 | 洒落斎 |
漢字の部首ちょっと立読み | ||
|
||
35 | ふうが添削コーナー会友招待席ちょっと立読み | 高木良多 |
|
||
36 | 「お茶の水俳句会」の歴史 | 井上芳子編 |
|
||
44 | 「東京ふうが」の歴史年表 | 井上芳子編 |
|
||
61 | あとがき | 蟇目良雨 |
|
||
62 | 句会案内 | |
|
||
表3 | 東京ふうが歳時記 < 20 >【 春 】 | 編集部選 |
季刊俳誌「東京ふうが」に連載していた「東京大空襲体験記」を一冊に
春耕叢書 平27-1
2015年6月15日 印刷
2015年6月30日 発行
著 者 鈴木大林子
発行所 東京ふうが社
印刷所 共信印刷
ブックデザイン 菫花舎
大相撲の一こまに何を切り取るのかは中々難しい。どの場所でも粋筋のお姐さんがいて華やぐところがあるが、さて、初場所は特に華やぐところが著しいと言っている。静かな読み振りが成功した句。
戦後間もなく発表された桑原武夫の「第二芸術論」を「俳句界」3月号、4月号で改めて読んだ。
当時敏感に反応した秋櫻子や草田男。一方、「俳句も芸術と呼ばれるようになったのですか」と悠然と構えた虚子の2つの流れがあったが、70年前と事態は改善されたわけでもないことに気付かされた。
芸術と呼ばれたいのなら、人を感動させる句を作らなければならない。
桑原武夫を俳句の門外漢などと退けることなく謙虚に、再び考えることをしたい。
1 | 名句逍遥 | |
欣一俳句の鑑賞(19) | 高木良多 | |
良多俳句の鑑賞(19) | 蟇目良雨 | |
|
||
2 | 作品七句と自句自解「冬季・新年詠」ちょっと立読み | |
|
||
6 | 墨痕三滴(俳句選評) | 鑑賞:蟇目良雨 |
(お茶の水句会報355回~358回より選んだもの) | ||
|
||
7 | 寄り道 高野素十論 < 11 >ちょっと立読み | 蟇目良雨 |
|
||
19 | 【特集】 菽水と蕪村ちょっと立読み | 高木良多 |
|
||
12 | 曾良を尋ねて < 23> | 乾 佐知子 |
「草の戸も」の句の真意 ほかちょっと立読み | ||
|
||
14 | 旅と俳句 新涼のハルビン・大連紀行<2>ちょっと立読み | 石川英子 |
|
||
17 | 八千草日記 | 高木良多 |
(9) 山法師(やまぼうし)ちょっと立読み | ||
(10) 藤の実 | ||
|
||
18 | 【新連載】 「遊ホーッ」 | 洒落斎 |
零の発明と五十音図の発明の起源ちょっと立読み | ||
|
||
19 | エッセイ 息栖神社と側高神社 参拝の記ちょっと立読み | 石川英子 |
|
||
22 | 秀句探索・読者からのお便り・ほか | |
|
||
24 | ふうが添削コーナー会友招待席ちょっと立読み | 高木良多 |
|
||
25 | 後 書 | 蟇目良雨 |
|
||
表3 | 東京ふうが歳時記 < 19 >【 冬季・新年 】 | 編集部選 |
|
流れ星を夜這星と言い換えたことで物語性が出た。「這う」という言葉の持つニュアンスが低い夜空を次々に流れる星とうまく響きあった。海辺でもよく、大きな湖畔の景色としてもいろいろ鑑賞がすすむ。
俳句に対する姿勢として「俳句ポケット論」がある。これは右のポケットに生業を入れ左のポケットに俳句を入れるという意味である。
生活を支える仕事をきちんと持ってこそ心豊かな俳句が出来るという考えである。
確かにこういわれてみると著名俳人にはしっかりと仕事に業績を残している先人が多い。秋櫻子は医師、誓子は住友社員、風生は逓信官僚、素十も法医学者だ。例外は虚子であろう。最初から文藝で食おうとしている。そして少しも厭らしくない。小説家のように文筆に命を懸けている。
結局、どちらと言うことはできないのだろうが、自分が今、生活に困ればどんな句を作るのか興味がある。
1 | 名句逍遥 | |
欣一俳句の鑑賞(18) | 高木良多 | |
良多俳句の鑑賞(18) | 蟇目良雨 | |
2 | 作品七句と自句自解「秋季詠」ちょっと立読み | |
6 | 墨痕三滴(俳句選評) | 鑑賞:蟇目良雨 |
(お茶の水句会報352~354号より選んだもの) | ||
|
||
7 | 寄り道 高野素十論 < 10 >ちょっと立読み | 蟇目良雨 |
14 | 曾良を尋ねて < 22> | 乾 佐知子 |
『奥の細道』までの道程 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲちょっと立読み | ||
17 | 旅と俳句 新涼のハルビン・大連紀行ちょっと立読み | 石川英子 |
21 | 八千草日記 | 高木良多 |
(7) 螢 袋(ほたるぶくろ)ちょっと立読み (8) 蓮華升麻(れんげしょうま) |
||
23 | 沢木太郎編 『沢木欣一全句集』の読後感 | 高木良多 |
25 | エッセイ 晩秋の香取 伊能忠敬の墓など | 石川英子 |
|
||
26 | 読者からのお便り | |
|
||
28 | インフォメーション 他誌掲載作品 | |
角川『俳句』10月号 我が夜長 | 蟇目良雨 | |
月刊『俳句会』10月号 沙羅落花 | 高木良多 | |
|
||
30 | 会友招待席(会友句鑑賞)ちょっと立読み | 高木良多 |
|
||
31 | 後 書 | 蟇目良雨 |
|
||
表3 | 東京ふうが歳時記 < 18 >【 秋 】 | 編集部選 |
|
– 本書の特徴 –
・2012年の世相を強化
・判りやすい俳句を一日一句
・季節をきりとる愛らしい挿絵
春耕叢書 平26ー1
頒 価 1500円
2014年12月5日 印刷
2014年12月26日 発行
著 者 蟇目良雨
発行所 春耕俳句会
印刷所 共信印刷
挿 絵 蟇目良雨
ブックデザイン 菫花舎
季語は百合であるが珍しい使い方。百合の花が蝶に見えたということであるが、書庫の暗がりに活けられた百合が、ふと見た瞬間に蝶のように見えた驚きが一句の眼目。書庫の措辞に作者の生き様がよく出ている。
高野素十と水原秋櫻子の「自然の真と文芸上の真」論争でその引き金を引いたと言われる俳誌『まはぎ』に掲載された論文はどんな内容なのか、それほど秋櫻子を傷つけたのか大変曖昧である。本号ではその『まはぎ』に焦点を当ててみた。読者のお役に立てば幸いである。
なお、発行人が高木良多先生から蟇目良雨に交代した。先生ご高齢のためにお申し出がありここにご報告する。
蟇目良雨