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東京ふうが60号(令和2年冬季・新年号)

編集人が語る「東京ふうが」60号

「東京ふうが」編集人より

喜寿も過ぎれば完全に老人の仲間。それでも頭の中だけはいつも若さを保っているようだ。 長年追い続けている高野素十研究も時々掘り出し物に出会う。今号の手塚富雄の文章がそうである。西洋詩の観点から素十を味わうことが出来て本当に嬉しい。これからも寄り道しながら高野素十を味わってゆきたい。

世の中は新型コロナウイルスで一色。これも生きているからこそ出会えたこと。長生きしたいものだ。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <39>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

追悼・松坂康夫 作品35句

10 寄り道 高野素十論  30 ちょっと立読み 蟇目良雨
 「手塚富雄の素十論」

16 曾良を尋ねて 第43回 ちょっと立読み 乾佐知子
126─ 長島松平家断絶に関する一考察I
127─ 長島松平家断絶に関する一考察II

18 新型コロナウィルスに思うことちょっと立読み 蟇目良雨
スペイン風邪とホトトギスの俳人たち

22 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
110 – 虚子が可とした俳句、否とした俳句
111 – 虚子の戦後俳句鑑賞の肉声記録(1)
112 – 虚子の戦後俳句鑑賞の肉声記録(2)
113 – 虚子の戦後俳句鑑賞の肉声記録(3)

27 随筆 「韓国俳話あれこれ」5ちょっと立読み 本郷民男
機一筆「爐塞や」の短冊
其角俳諧の聖地、三囲神社
巖谷小波筆「衣洗ふ」掛け軸
俳人、画家としての小波
河東碧梧桐筆の「蚕養する」掛け軸
木浦の俳誌『カリタゴ』を見ると

30 第21回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
①おもてなし
②司馬遼太郎・続
③勝海舟のシナ観
④騎馬民族征服王朝説

33 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

35 あとがき

36 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <39> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが59号(令和元年秋季号)

編集人が語る「東京ふうが」59号

「東京ふうが」編集人より

素十と秋桜子の「自然の真と文芸上の真」は、実は現代にまで尾を引きずっている俳句論争の一つです。

現代俳句を見渡すと、難しい言葉を振り回したり、季語を無視している俳人がどちらかというと力を誇示している俳壇でもあります。

己の信じた道を行き、脇目も振らなかった素十の評価を確立させてゆくつもりです。ご愛読下さい。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <38>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

他誌掲載記事
『俳句四季(2019年10月号)』

句のある風景
深川知子

10 他誌掲載記事
『WEP俳句通信112号』

季節の中で (100)
蟇目良雨

12 寄り道 高野素十論 29 ちょっと立読み 蟇目良雨
 「細谷喨々の素十観」

16 他誌掲載記事
『俳句文学館(2019年12月5日号)』
随筆・曾良の足跡
乾佐知子

17 曾良を尋ねて 第42回 ちょっと立読み 乾佐知子
123─ 芭蕉没後の曾良の動向II
124─ 曾良と吉川惟足
125─ 諏訪帰郷と芭蕉墓参について

20 随筆 「韓国俳話あれこれ」4ちょっと立読み 本郷民男

23 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
106 – 話題の句集『アウトロー俳句』を知ってますか
107 – ライオンが検査でゐない冬日向 北大路翼
108 – 虚子は戦後俳句をどう読んだか
109 – 虚子の選句基準は俳句らしい思想と措辞

28 第20回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
①イギリスのEU離脱と英語問題
②副島隆彦著の『逃がせ隠せ個人資産』より
③スイスの銀行の口座

30 旅と俳句 シルクロードの旅 天山北路⑤ちょっと立読み 石川英子
Ⅲ 新彊ウイグル自治区

43 あとがき

44 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

46 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <38> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが58号(令和元年夏季号)

編集人が語る「東京ふうが」58号

「東京ふうが」編集人より

令和の新時代が開けて半年しか経たないのに天然の災害が続き、政治では大臣の更迭が相次いでいる。

アメリカのトランプ大統領の暴政、韓国のムンジェイン大統領の依怙地さ、イングランドの政治の迷走など日本を取り巻く環境も悪すぎる。

こうした環境に在っても俳句文芸は自己を失わず、世間に迎合せずに己を貫きたいものである。

虚子の一貫して変わらぬ態度を学ぶべきであるとおもう。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <37>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

9 寄り道 高野素十論 28 ちょっと立読み 蟇目良雨
 「志摩芳次郎という俳人」

16 曾良を尋ねて 第41回 ちょっと立読み 乾佐知子
119─  『奥の細道』素龍本についての一考察(3)
120─ 『奥の細道』野坡本に関する一考察
121─ 『奥の細道』野坡本に関する一考察II
122─  芭蕉没後の曾良の動向

20 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
102 – 老人と老人のゐる寒さかな 杏太郎
103 – 雪が降り石は佛になりにけり 杏太郎
104 -「俳句とは冬日だまりのひとり言 杏太郎
105 – ラ・マンチャの男に吹いて秋の風  杏太郎

25 旅と俳句 シルクロードの旅 天山北路④ちょっと立読み 石川英子

40 随筆 「韓国俳話あれこれ」3ちょっと立読み 本郷民男

43 他誌掲載記事 『俳句界(6月号)』『鶴(7月号)』

44 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

46 第19回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
①幸せという字
②サッチャーの言葉(その2)
③ロス・ペローの言葉

47 あとがき

48 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <37> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが57号(令和元年春季号)

編集人が語る「東京ふうが」57号

「東京ふうが」編集人より

本郷民男さんの「韓の俳諧」を読むと、かつてはのんびりと日韓の俳句愛好者が句を諳んじていたことが分かる。お互いの国の文芸に敬意を表していた証であろう。

現在の日韓情勢を見るに、よく言われることは「民間では相手を好きだが、政治の世界の建前としては相手を許さない」という二律背反の考えに取りつかれているそうだ。

800年代に空海が遣唐使に混じって渡海したとき、漂着をしたために身分を証明するものがなくて、しばらく福建省の赤崖村に留められたのであったが、31歳の空海が漢文で地方長官宛に書いた嘆願書が詩的にも文法的にも素晴らしくて、長安へ行くことを許されたという。

また、役人、軍人に至るまで詩文に長けていることが当時の常識であったそうだ。

要するに現代のつまらないいがみ合いは、文芸に親しまない人間が政治を担っていること起因すると思う。たかが俳句であれ世の中の役に立てるように努力したい。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <36>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

寄り道 高野素十論 27 ちょっと立読み 蟇目良雨
 「素十と虚子の親密さ」

15 曾良を尋ねて 第40回 ちょっと立読み 乾佐知子
116─ 松尾芭蕉の臨終に関する一考察 ─
117─ 『奥の細道』素龍本についての一考察(1)
118─ 『奥の細道』素龍本についての一考察(2)

18 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
96 – ゆっくりと花びらになる蝶々かな 小林凛
97 – ぬかるみに車輪とられて春半分 小林凛
98 – 「戦争記録画」を描いた絵描きたち
99 – 「無期限貸与」の形で戻った戦争記録画

25 旅と俳句 シルクロードの旅 天山北路③ちょっと立読み 石川英子

32 随筆 「韓国俳話あれこれ」2ちょっと立読み 本郷民男

35 他誌掲載記事 『俳句四季(四月号)』『獅林(5月号)』

36 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

38 第18回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
(1) あるオランダ人通訳の言葉
(2) 森の破壊

35 あとがき

36 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <36> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが56号(平成31年冬季・新年号)

編集人が語る「東京ふうが」56号

「東京ふうが」編集人より

 この号を出し終わったら新元号が決定した。令和という。いつも漢籍からの字句捜索であったものが国学の万葉集から取ったと時の首相が自慢していたようだ。
 俳句をやるものにとっては「令」の響きが「ピリッと引き緊まる冷気」を感じてしまうが如何だろうか。いや、いずれ使っているうちに記号の一つになって違和感が無くなると思う。少なくとも吾が余生の間に変わることは無いだろう。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <35>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

8 他誌掲載句月刊俳誌『氷室』 2019年2月号

寄り道 高野素十論 26 ちょっと立読み 蟇目良雨
 「清水基吉の素十観」

12 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

14 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
92 – つけし人ら今亡し梅雨のティアラ展 眉村卓
93 – 艦載機グラマンに機銃掃射された夏の日
94 – 詩人・金子光晴の遭遇した関東大震災(上)
95 – 詩人・金子光晴の遭遇した関東大震災(下)

19 「旅と俳句」
平成20年
シルクロードの旅天山北路②ちょっと立読み
石川英子
Ⅰ – 西 安

26 曾良を尋ねて 第39回 ちょっと立読み 乾佐知子
113─ 近畿地方周遊の旅に関する一考察 ─
114─ 晩年の芭蕉の動向Ⅰ
115─ 芭蕉晩年の動向Ⅱ「不易流行」

29 随筆「韓国俳話あれこれ」ちょっと立読み 本郷民男

32 他誌掲載句『季のうた』(愛知新聞・2019年1月26日)

33 応募告知『みたま祭』(毎年7月開催)献詠句

34 第17回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
① スマホの副作用
② 千年さかのぼって 見渡したときの 不思議な光景

35 あとがき・ご案内『第30回 花と緑の吟行会』

36 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <35> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが55号(平成30年秋季号)

編集人が語る「東京ふうが」55号

「東京ふうが」編集人より

東京ふうがは書き手が揃っていて読み物の楽しい雑誌になっている。この度韓国の専門家が入会したので更に面白くなるだろう。俳句を通して日本と韓国との友好関係に明るい一石を投じてくれると思う。次回をご期待ください。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <34>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

寄り道 高野素十論 25 ちょっと立読み 蟇目良雨
 「杉本零の素十論」

12 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

14 曾良を尋ねて 第38回 ちょっと立読み 乾佐知子
110─ 伊勢神宮参拝以降の曾良の動向 ─
111─ 「曾良日記」に関する一考察
112─ 京都近畿地方での曾良の行動

16 旅と俳句 平成20年 シルクロードの旅 天山北路①ちょっと立読み 石川英子

22 随筆戦時下の中学生の一記録 M・Y

24 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
88 – 春窮やルオーの昏き絵を展く 火原翔
89 – 春の夜やいやです駄目ですいけません 井伏鱒二
90 – ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき 桂信子
91 – 窓の雪女体にて湯をあふれしむ 桂信子

29 他誌掲載記事「帆」平成30年12月号「受贈誌管見 海老原正博」

30 第16回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
(1) 十三億分の一の男

31 風信「俳句大会入選おめでとう」
あとがき

32 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <34> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが54号(平成30年夏季号)

編集人が語る「東京ふうが」54号

「東京ふうが」編集人より

連載中の乾 佐知子さんの「曾良を尋ねて」は河合曾良の「奥の細道随行日記」が元になっている。
私たちが普段見ているこの日記は実は元禄二年九月六日伊勢長島大智院に着くところで終わり「以下略」になっている。
この先は伊勢神宮参拝などがあるのだがこれは原本を当たらないと知ることが出来ない。
私たちは幸い山本六丁子編「曽良奥の細道随行日記 付 元禄四年日記」(小川書房刊)によって続きを知ることが出来る。
もう少し先を楽しむことが出来そうだ。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <33>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

10 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

13 寄り道 高野素十論 24 ちょっと立読み 蟇目良雨
松村紅花 資料 「門弟による松村紅花論 三編」

◆「村松紅花名誉会員を悼む― 虚子敬慕を貫かれた人」 谷地海紅
◆俳句評「村松友次(紅花)先生のことなど」 江田浩司
◆鷺孝童先生のこと、村松紅花先生のこと  堀口希望


22 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦

84—絶滅のかの狼を連れ歩く 三橋敏雄
85—絶滅寸前季語「狼」
86-霧笛の夜こころの馬を放してしまう 金子皆子
87-兜太を支えた同志・妻皆子


27 第15回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
(1)バッタ
(2)クモ

28 曾良を尋ねて 第37回 ちょっと立読み 乾佐知子

108─ 芭蕉・大智院へ行く ─
109─伊勢神宮参拝に関する一考察


34 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <33> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが53号(平成30年春季号)

編集人が語る「東京ふうが」53号

「東京ふうが」編集人より

大勢の仲間が集まり「都会の憂愁」を詠う目的で始まった「東京ふうが」

は地を這いつくばうようにこれまで進んで来た。この先の到達点はどこになるのだろう。

この度、韓国の俳句に詳しい会員が加わったことで幅が広がるかと思う。楽しみだ。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <32>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

10 寄り道 高野素十論 23 ちょっと立読み 蟇目良雨
素十の出生の謎に戻る

15 墨痕三滴(佳句短評) 蟇目良雨

17 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦
80 -「鶏頭」句に文語文法で迫る新論考登場(上)  –
81 -「鶏頭」句に文語文法で迫る新論考登場(下)  –
82 – 蕉翁句、氷の僧か籠りの僧か –
83 – あんぱんの葡萄の臍や春惜しむ 三好達治-

22 紀行エッセー
出雲・松江「古事記の国に遊ぶ II 」ちょっと立読み
石川英子

26 第14回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
(1)仏教の話
(2)朝鮮半島の正当性
(3)朝鮮半島の人口

28 曾良を尋ねて 第36回 ちょっと立読み 乾佐知子
105 -山中温泉から敦賀へ  –
106 -敦賀から色の浜へ –
107 -『奥の細道』最終章に関する一考察 –

30 エッセー
「若かりし頃…思い出すままに」
石川英子

33 あとがき

34 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <32> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

東京ふうが52号(平成30年冬季・新年号)

編集人が語る「東京ふうが」52号

「東京ふうが」編集人より

急速なIT化に私たちは今、どの辺を歩いているのか不安になる。しかし、取り巻く環境がどうであれ一個人のやれることはたかが知れている。コツコツと積み上げて行けば山のようになるだろう。諦めては駄目であることを先人は教えてくれている。

蟇目良雨

 

目 次


名句逍遙 <31>  蟇目良雨
皆川盤水秀句鑑賞
高木良多秀句鑑賞

作品7句と自句自解ちょっと立読み

寄り道 高野素十論 22 第35回 ちょっと立読み 蟇目良雨
素十と紅花

16 墨痕三滴(俳句選評) 蟇目良雨

18 俳論 形容詞「美しい」は禁忌句語にあらず!? 松谷富彦

22 紀行エッセー
出雲・松江「古事記の国に遊ぶ I 」ちょっと立読み
石川英子

26 曾良を尋ねて 第35回 ちょっと立読み 乾佐知子
101 -大久保長安に関する一考察 II  –
102 -曽良と大久保長安との関わり –
103 -金沢から山中温泉へ I –
104 -金沢から山中温泉へ II –

30 コラム 「はいかい漫遊漫歩」ちょっと立読み
(『春耕』より)
松谷富彦

32 第13回 遊ホーッちょっと立読み 洒落斎
(1)フェロモン
(2)死海文書

34 書評 「菊坂だより」(『月の匣』《句集曼荼羅》より)

35 あとがき

36 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <31> 編集部選

(つづきは本誌をご覧ください。)

蟇目良雨 第五句集『ここから』 第17回 文学の森大賞 受賞

『春耕6月号』(通巻551号)より転載

蟇目良雨第五句集『ここから』が第17回文學の森大賞を受賞しました。

◎文學の森賞とは・・・
 「文學の森賞」は、株式会社文學の森にて刊行されたすべての書籍を対象に選出する賞です。今回は2023年
4月~2024年3月末日の間に刊行された書籍が対象です。

 第一次選考は、月刊「俳句界」書評コーナー「この本この一句」担当者に依頼し、文學の森からの推賞を加えました。その後、能村研三氏、古賀しぐれ氏によって最終選考が行われ、両氏の合計順位により大賞、準大賞、入賞が決定しました。

◎第一次選考委員(敬称略)
 高橋健文 手拝裕任 土肥あき子
 かしまゆう 守屋明俊 吉田千嘉子
 福神規子 しなだしん

◎最終選考委員
能村研三(「沖」主宰)
古賀しぐれ(「未央」主宰)

◎贈賞式
2025年6月13日(金)に行われます。

◎最終選考委員選評より
〜能村研三先生 評〜
 今回大賞、準大賞を受賞された四名はいずれも七十代後半と八十代男性の方。私が日頃より敬愛されている方ばかりなので、今回の受賞はうれしく思っている。

 蟇目良雨さんの句集『ここから』は第五句集で、八年間寝たきりの奥様の介護を通して生と死を見つめ直しながら、その中に未来が開けることを信じて句を作られた。

 ここまでが看取りここからわが夜長
 看取る汗看取らるる汗生きてこそ
 打水やかなしきときは虹作り

 令和三年に奥様が亡くなられたときの「妻には本当に世話になった」という言葉には作者の優しいお人柄に触れたようで涙が出た。

〜古賀しぐれ先生 評〜
 最終選考候補の十五句集の中から、蟇目良雨氏の『ここから』、淵脇護氏の『鷹柱』、亀井雉子男氏の『朝顔の紺』に絞り込んでの選となった。

『ここから』は思われた奥様への愛の句に感動を受けた。〈夏掛を綺麗にかけて妻病みぬ〉〈病む妻によき眠りあれ夜香蘭〉〈看取る汗看取らるる汗生きてこそ〉。夫が妻を看取るという哀しい現状を受け入れて、妻のことを心底思っていると感じさせる句の数々。そして、〈束の間の方舟として半仙戯〉〈ピタゴラス定理を齧る雲母虫〉〈冴返る神武以来の不等式〉〈大悪人らしや虚子忌に雪の降り〉等々、ユニークな視点での個性豊かな句に惹かれた。

 前述の三句集はそれぞれに魅力があ甲乙つけ難いものであったが、蟇目良雨氏の『ここから』の看病しながら
も妻恋を詠み続ける思いに感動して一位に推した。

 『ここから』『鷹柱』『朝顔の紺』というタイトルには作者の句作の姿勢が込められ、それぞれに経験豊かな句集であると感じた。

◎受賞の言葉
 この度は文學の森大賞を戴き有難うございました。
 若い時に短歌や小説を齧り、俳句を始めた時には不惑の歳になっていました。私を俳句に導いて下さった先輩諸氏は生活を実直に詠う方ばかりで、私もこれまで様々な仕事をやってきたのでそれを俳句に詠ってきました。
 私もいつしか老いて、妻の老衰、介護、死を見届けました。そこから授かった作品が今回の句集『ここから』の内容になっています。私には更に老いが深まっており、芭蕉や蕪村や一茶も知らない老いの世界を体験しています。今回の受賞を機に更に老いの世界から授かれるのか突き詰めてみたいと考えています。「俳句は授かるもの」であると思うこの頃です。
 故・皆川盤水先生からは俳句の楽しさを学びました。先生がいつも言われていた「和楽」の心を大切に「春耕」の仲間とこれからも歩んでまいります。盤水先生に報告ができてうれしい限りです。
 最後に選者を務められた能村研三、古賀しぐれ両先生他、 文學の森関係者の方々に篤く御礼申し上げます。

◎自選五句
 風花はことば一片づつ光り
 涅槃図のうしろ雪降る飛騨の国
 白玉や雨は斜めに神楽坂
 吸うて吐く闇美しや青葉木菟
 ここまでが看取りここからわが夜長

(『ここから』より自選五句)

◆詳細は「俳句界」 2025年5月号をご覧ください。

蟇目良雨 第五句集『ここから』