編集人が語る「東京ふうが」34号
「東京ふうが」編集人より
現代の人が俳句を続ける源流は松尾芭蕉にあると思う。
芭蕉のストイックな生き方が現代においても人生の目標に値するのであろう。
考えたら日本人はとんでもない傑物を生み出してしまったのである。
「東京ふうが」においても乾佐知子氏が曾良の生き方を通して芭蕉に肉薄しているので是非お読みいただきたいと考えている。
蟇目良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(13) 高木良多良多俳句の鑑賞(13) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「夏季詠」 ►ちょっと立読み
- 6 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- 7 【寄り道 高野素十論】< 5 > 蟇目良雨 ►ちょっと立読み
- 10 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <26> 鈴木大林子
- 11 曾良を尋ねて < 17> 乾 佐知子
- 14 「旅と俳句」2012 インド漫遊の旅< 4 > 石川英子
インド・ネパール国境スノウリ
►ちょっと立読み
釈迦涅槃の地クシナガラ仏教の夜明けサールナート
帰国
追録
- 22 研究 「奥の細道」で芭蕉が新潟を素通りしたのは何故か 蟇目良雨
- ►ちょっと立読み
- 31 会友招待席(会友句鑑賞)
- 32 『2011一日一句集』紹介文
「水明」2013年1月号より
- 33 高木良太先生卒寿祝賀会
- 34 後書 高木良多
- 34 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 13 >【 夏季 】 編集部選
高木良多講評
東京ふうが 平成25年 春季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報335号~336号より選
赤シャツは父の目印潮干狩 鈴木 大林子
潮干狩はお天気が良ければ大勢の人が見える。なかでも父の衣装が赤シャツであるのですぐに目につくという句。単純明快な句。「赤シャツ」の色彩が良いからである。
編集人が語る「東京ふうが」33号
「東京ふうが」編集人より
俳句作品も、俳画や写俳などの作品も形態の違いがあるけれど、その真の価値は作品に真心が籠められているか否かにかかっていると思う。
「東京ふうが」は表紙絵の俳画以外は全て俳句作品であるから俳句に真心が籠められているかどうかが問われている。
俳句を鑑賞して一句の中に真心が籠められているかどうかは自句自註や俳句添削欄を見ていただければ自ずと理解していただけると思っている。
こうした細かな積み重ねが大切なことであると気を引き締めて編集に当っている。
蟇目良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(12) 高木良多良多俳句の鑑賞(12) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「春季詠」 ►ちょっと立読み
- 5 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- 6 澤木欣一の句集 高木良多
- 12 【寄り道 高野素十論】< 4 > 蟇目良雨 ►ちょっと立読み
- 15 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <25> 鈴木大林子
- 16 曾良を尋ねて < 16> 乾 佐知子
旅の経費に関わる一考察
►ちょっと立読み
旅の出費に関する一考察
旅の出費に関する一考察(その2)
- 19 「旅と俳句」2012 インド漫遊の旅< 3 > 石川英子
空路にも寄り道 ウルラー
►ちょっと立読み
聖なる川ガンガー
クレイジーハッピーホーリー
- 24 会友招待席(会友句鑑賞)
- 25 後書 高木良多
- 26 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 12 >【 春季 】 編集部選
高木良多講評
東京ふうが 平成24年 冬季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報332号~334号より選
硝子戸の中の門松丸の内 蟇目良雨
どんな貧しい家でも門松は門の内か外に飾られてあるのが普通の家であるが、この句の門松は硝子戸の内側に飾られてある。大きなビルの立派な硝子戸の内側なのであろう。丸の内なればである。その意外性が面白い現代俳句となっている。
編集人が語る「東京ふうが」32号
「東京ふうが」編集人より
「5千粒、1万粒の涙」
3月9日の朝日新聞記事に、東日本大震災のシリーズものが掲載されていました。
その中に、津波で父も祖父母も亡くした大槌町の小学五年生の少年が、地元に伝わる郷土芸能の七福神踊に没頭して悲しみを紛らわせている様子が報じられています。
「踊っていると、じいじとばあばが見に来て、笑っているような感じがした。ちょっとうれしかったです。」
と今の心境を語り、悲しみは少しずつ癒されているという中に、この少年が語る次の言葉に感激しました。
「津波の時、夜になっておかんが無事だとわかるまで、心配で、避難所で、五千粒、一万粒の涙を流しました。親が二人ともいなくなったんだから、自分より、おかんの方がつらいと思う。津波注意報が来て、おかんと離れていると、心配で仕方がありません。」
この少年が語る「5千粒、1万粒の涙」という胸を打つ飾らない即物具象の言葉こそ俳人の探すべき言葉だと思ったものです。
蟇目良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(11) 高木良多良多俳句の鑑賞(11) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「冬季・新年詠」 ►ちょっと立読み
- 5 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- 6 澤木欣一の句集 高木良多
- 19 【寄り道 高野素十論】< 3 > 蟇目良雨 ►ちょっと立読み
- 26 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <24> 鈴木大林子
- 28 曾良を尋ねて < 15 > 乾 佐知子
江戸初期の幕藩体制と改易について
►ちょっと立読み
路通から曾良へ
齋部路通について
旅立ち直前における動向について
- 32 「旅と俳句」2012 インド漫遊の旅< 2 > 石川英子
ダージリン観光
►ちょっと立読み
カルカッタは暑かった
カルカッタの街ぶらぶら
ラピスラズリの首飾り
- 38 会友招待席(会友句鑑賞)
- 39 後書 高木良多
- 40 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 11 >【 冬季 】 編集部選
編集人が語る「東京ふうが」31号
「東京ふうが」編集人より
素十を勉強してゆくと、素十の俳句作品の魅力とともに素十が門弟と一対一で対話をするように門弟
の作品鑑賞を行う場面の出くわす。
「俳句は作者抜きには語ることが出来ない文学」といわれる所以は、俳句が「座の文芸」から出発していることと無縁ではない。
身分は問わないが、その人なりが理解されなければ「座の文芸」は成り立たないのである。
「東京ふうが」において素十の人間臭さから筆を起こしたが、これは素十の人間好きの根底にあるものが、やがて「座の文芸」という現代では忘れかけてきた「俳句の根源」を素十が大切にしていたことに繋がる予感がしている。
そんな視点で素十論に立ち向かいたい。
蟇目 良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(10) 高木良多良多俳句の鑑賞(10) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「秋季詠」 ►ちょっと立読み
- 5 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- 6 澤木欣一の句集 高木良多
- 16 【寄り道 高野素十論】< 2 > 蟇目良雨 ►ちょっと立読み
- 22 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <23> 鈴木大林子
- 24 曾良を尋ねて < 14 > 乾 佐知子
- 26 「旅と俳句」2012 インド漫遊の旅< 1 > 石川英子
インドへの第一歩
►ちょっと立読み
アーグラーのタージマハール
デリー市内いぶーらぶら
ダージリンはヒマラヤ裾の町
カンチェンジュンガの夜明け
- 33 特別寄稿「未来への絆〜大震災復興を誓って子供の植樹活動」
元石一雄►ちょっと立読み
- 35 蟇目良雨著『2011一日一句集』に寄せて
- 39 「東京ふうが」の仲間の皆さんが選んだ『2011一日一句集』からの五句選
- 40 会友招待席(会友句鑑賞)
「鑑賞と添削」 高木良多
- 41 後書 高木良多
- 42 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 10 >【 秋季 】 編集部選
高木良多講評
東京ふうが 平成24年 秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報329号~331号より選
潮の香の押しくる荒磯神の留守 堀越純
上五、中七までは平凡な写生であるが、下五の転換は非凡。沖縄では南の海の涯に神がいると信じられていていろいろの行事がある。この「神の留守」の下五にそのような島の国の信仰のような存在が感じられる秀句。
– 本書の特徴 –
・2011年の日々の出来事をメモ
・判りやすい俳句を一日一句
・蕪村の「奥の細道」画巻の模写を挿絵に
あとがきより
良雨の『一日一句集』も3年目に入りました。大勢の方の励ましのお陰で続けられたものと感謝しています。
池内けい吾さんが「春耕」誌に連載した「盤水一日一句」に端を発して『二○○九一日一句集』が誕生したいきさつは、そのとき後書に書きました。
翌、2010年は、記録的な暑さの年として思い出に残っています。
今年(2012年)の夏の節電の基準が「この年並みの暑さがきた場合は」と暑さの基準になっているほどです。2010年の暑さはわが師皆川盤水先生を天に召してしまいました。また、政治的には民主党政権内で鳩山由紀夫氏から菅直人氏に首相を先送りした年でもありました。
さて、本書のテーマである2011年であります。この年に日本にとんでもないことが起こってしまいました。3月11日のあの大地震です。
春耕叢書 平24ー1
頒 価 1500円
2012年7月18日 印刷
2012年8月18日 発行
著 者 蟇目良雨
発行所 春耕俳句会
印刷所 共信印刷
挿 絵 蟇目良雨
ブックデザイン ワタリマミ
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編集人が語る「東京ふうが」30号
「東京ふうが」編集人より
※ 寄り道高野素十論を書くに当って
混沌とした現代の俳句界にとって客観写生を貫いた高野素十の俳句は貴重である。
写生の中に余情がにじみ出してくる名句を素十はどのように会得したのか。
その生き様を辿ることにより理解できるかもしれないと筆を起こしたのが「寄り道高野素十論」。
ライフワークにするつもりで書きます。
蟇目 良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(9) 高木良多良多俳句の鑑賞(9) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「夏季詠」 ►ちょっと立読み
- 6 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- 6 澤木欣一の「俳話草紙」<2> 高木良多
- 9 澤木欣一の句集 高木良多
- 14 「水郷の風土」余聞<その14> 高木良多
蘆原の中つ国
- 15 【寄り道 高野素十論】 蟇目良雨
- 27 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <22> 鈴木大林子
- 21 曾良を尋ねて < 13 > 乾 佐知子
34回 曾良と諏訪家に関する一考察
►ちょっと立読み35回 諏訪藩と俳諧の流れ36回 曾良と伊勢藩主松平良尚37回 東京大学 総合図書館
- 24 ミニエッセー「旅と俳句」
ネパール・ヒマラヤ紀行2011 石川英子
- 31 会友招待席(会友句鑑賞)
「鑑賞と添削」 高木良多
- 31 後書 高木良多
- 32 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 9 >【 夏季 】 編集部選
高木良多講評
東京ふうが 平成24年 夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報325号~327号より選
緑蔭に身を反らしゐる大道芸 花里洋子
大道芸人が何かの芸のために身を反らしているところをキャッチ。背景の緑蔭が効果的。
都会の郷愁と風雅を俳句とエッセーに掬いとる俳句同人集団