編集人が語る「東京ふうが」29号
「東京ふうが」編集人より
芭蕉曰く「俳諧は三尺の童にさせよ」(三冊子)。
俳句は童子が何に対しても驚くような素直な心を持って行えと言うことだ。その芭蕉は満51歳で亡くなる。異国の文物に触れようと心に長崎への旅を夢見ながら。
今、「東京ふうが」の連衆は70歳台から90歳になんなんとする仲間たちばかりだ。芭蕉には考えられなかった年齢である。しかし心だけは三尺の童より若いと自負している。俳句研究に旅に老いの輝きを灯し続けている。
蟇目 良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(8) 高木良多良多俳句の鑑賞(8) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「春季詠」 ►ちょっと立読み
- 6 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- 7 澤木欣一の句集 高木良多
- 17 俳句紀行 アンコールワット 蟇目良雨
- 27 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <21> 鈴木大林子
- 27 曾良を尋ねて < 12 > 乾 佐知子
- 30 ミニエッセー「旅と俳句」
ネパール・ヒマラヤ紀行2011 石川英子
〜仏陀の生誕地・ルンビニ〜5.テラウラコット遺蹟
►ちょっと立読み6.ルンビニ園7.スノウリ8.旧王国ダルバール広場
- 37 会友招待席(会友句鑑賞)
「鑑賞と添削」 高木良多
- 38 後書 高木良多
- 38 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 8 >【 春季 】 編集部選
高木良多講評
東京ふうが 平成24年 春季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報322号~324号より選
遠足の子らに風鐸鳴りやまず 深川知子
風鐸が鳴りやまずであるから風のために鳴りやまずなのであろう。そのため遠足の子らもその間出たり入ったりでその時間的経過が分かる句となっている。写生することが基本におかれているからである。
編集人が語る「東京ふうが」28号
「東京ふうが」編集人より
俳句を始めて何やかや三十年を経て、俳句が判りかけてきたと思いきやどんどん遠くへ逃げてゆく現実に打ちのめされている毎日です。それが俳句の魅力なのでしょうか?「東京ふうが」も少しづつ俳句の楽しさに近づけるよう誌面作りになってきたと自負しています。機会がありましたら手にとってご覧になって下さい。
蟇目 良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(7) 高木良多良多俳句の鑑賞(7) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「冬季詠」 ►ちょっと立読み
- 6 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- (お茶の水句会報319~321号より選んだもの) ►ちょっと立読み
- 7 澤木欣一の句集 高木良多
-
- 18 ニーハオ中国俳句の旅 <14>(番外編) 蟇目良雨
- 25 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <20> 鈴木大林子
- 27 曾良を尋ねて < 11 > 乾 佐知子
芭蕉と仏頂禅師 ►ちょっと立読み
曾良と三井家親子
野ざらし紀行と曾良入門
歌仙「蛙合せ」
- 30 ミニエッセー「旅と俳句」
- ネパール・ヒマラヤ紀行2011 石川英子
〜仏陀の生誕地・ルンビニ〜
- 34 私と小倉と久女のこと 深川知子
- 36 会友招待席(会友句鑑賞)
「鑑賞と添削」 高木良多
- 36 後記 高木良多
- 37 句会案内
- 表3 東京ふうが歳時記 < 7 >【 冬季 】 編集部選
高木良多講評
東京ふうが 平成24年 冬季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報318号~321号より選
綿虫の湧く峠路の没り日かな 石川英子
綿虫と峠路と没り日で情景がはっきりと分かる。夕日の光の関係で綿虫のとぶ姿もはっきりと見える。写生が効いているからである。
お茶の水俳句会から秀句をご紹介します。
第323回 2012年3月12日(月) 於:文京区民センター
兼題:芦の角・蜆・流し雛、 席題:沈丁花・若布
蘆の角古事記の神の山見ゆる 高木 良多
雛流し桟橋に巫女動かざる 堀越 純
あさぼらけ湖に水尾洩く蜆舟 太田 幸子
高木良多講評
東京ふうが 平成平成23年 秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報316号~318号より選
新豆腐入荷と墨書なんでも屋 元石一雄
田舎のなんでも屋の店先に半紙に大きな文字で「新豆腐入荷」と看板がでている。新豆腐の白と墨書の黒とが対照的で新豆腐がおいしそうに見える。
編集人が語る「東京ふうが」27号
「東京ふうが」編集人より
「風」澤木欣一、「春耕」皆川盤水を師系とし自然の中に生活の美を求める俳句集団として活躍しています。
お茶の水句会として発足してはや三十年経ちます。都会の中の風雅を掬い取る姿勢は少しも揺らぎません。
「東京ふうが」にこれからもご注目下さい。
蟇目 良雨
目 次
- 1 名句逍遥
欣一俳句の鑑賞(6) 高木良多良多俳句の鑑賞(6) 蟇目良雨
- 2 作品七句と自句自解「秋季詠」 ►ちょっと立読み
- 6 墨痕三滴(俳句選評) 添削:高木良多
- (お茶の水句会報316~318号より選んだもの) ►ちょっと立読み
- 8 澤木欣一の沖縄諷詠 < 5 > (最終回) 高木良多
10 澤木欣一の「俳話草紙」 高木良多11
ニーハオ中国俳句の旅 <13>(番外編) 蟇目良雨
20 東京大空襲体験記 銃後から戰後へ <19> 鈴木大林子
22 曾良を尋ねて < 10 > 乾 佐知子
26 ミニエッセー「旅と俳句」ネパール・ヒマラヤ紀行2011 石川英子
ポカラ・ダンプストレッキング 〜仏陀の生誕地・ルンビニへ〜
35 会友招待席(会友句鑑賞)
「鑑賞と添削」 高木良多
37 後記 高木良多38 句会案内
表3 東京ふうが歳時記 < 6 >【 秋季 】 編集部選
お茶の水俳句会から秀句をご紹介します。
第316回 2011年8月1日(月) 於:文京区民センター
兼題:流星・稲の花・水引の花、 席題:秋暑し・葛の花
義経の落ち行きし海流れ星 高木 良多
流星の尾を曳きてゐる竹生島 積田 太郎
最澄の山黒々と星流る 深川 知子
– 三大特徴 –
・2010年の日々の出来事をメモ
・判りやすい俳句を一日一句
・盤水先生の余香
あとがきより
昨年『2009一日一句集』を出したところ「また来年もやるのでしょう」というお言葉を何人かの方から頂戴した。拙著に対する感想の言葉に困りお世辞に発せられた言葉であることは判りつつも日記帳に出来事と一日一句だけは書き溜めていたのであった。
さて、2010年は記録的に暑い夏を日本人は経験した。この暑さの中を吾が師・皆川盤水先生は食道癌を身の内に養いながら療養されておられた。食道癌であったことは死後にご家族から知らされたのであるから、この暑さの峠を越えれば先生は本復することを信じていた。
この忘れ難き年を私の体内において風化させないためにも『2010一日一句集』を刊行しなければならないように思った。
春耕叢書 平23ー1
頒 価 1500円
2011年8月18日 印刷
2011年8月29日 発行
著 者 蟇目良雨
発行所 春耕俳句会
印刷所 共信印刷
挿 絵 蟇目良雨
ブックデザイン ワタリマミ
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高木良多講評
東京ふうが 平成23年 夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報313号~315号より選
親子して探し物あり柿若葉 井上芳子
親が何かを探している。子の私もまた別の物を探している。そのような上五、中七の別々のことを結びつけているのは下五の柿若葉の季語となっている。心の中が描き出されている珍らしい一句。
都会の郷愁と風雅を俳句とエッセーに掬いとる俳句同人集団