「墨痕三滴」佳句短評
蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報396号以降)
俳句鑑賞「墨痕三滴」
高木良多、蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報395号まで)
蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報396号以降)
高木良多、蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報395号まで)
春の夜空は少し濁っている気がする。星座も冬の夜空に見えるすっきり感がなくなる。そして良く見ると互いが連結しているように見える。これを鎖のあるごとしと捉えたのであるが、春の星だから言えることである。
5月に杉田久女研究者の坂本宮尾さんの講演を伺ったが、坂本さんは「虚子が久女の句集出版を認めなかった理由が、調べれば調べるほど分らなくなってきた」という。
「東京ふうが」で考察している「寄り道 高野素十」はまさにこの辺りにメスを入れつつあると思うが如何。
1 | 名句逍遥 | |
欣一俳句の鑑賞(20) | 高木良多 | |
良多俳句の鑑賞(20) | 蟇目良雨 | |
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2 | 作品七句と自句自解「春季詠」ちょっと立読み | |
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6 | 墨痕三滴(俳句選評) | 鑑賞:蟇目良雨 |
(お茶の水句会報359~361号より選んだもの) | ||
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8 | 「高幡高麗氏の残像」 | 高木良多 |
峰岸純夫先生の講演要旨- | ||
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12 | 八千草日記 | 高木良多 |
(11) 金柑の花ちょっと立読み | ||
(12) 篝火草(かがりびそう) | ||
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13 | 【特集】若月瑞峰と高橋由一ちょっと立読み | 高木良多 |
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15 | 寄り道 高野素十論 < 12 >ちょっと立読み | 蟇目良雨 |
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26 | 曾良を尋ねて < 24> | 乾 佐知子 |
関係諸藩と伊奈家との関わり ほかちょっと立読み | ||
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29 | 旅と俳句 新涼のハルビン・大連紀行<3>ちょっと立読み | 石川英子 |
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34 | 第2回 「遊ホーッ」 | 洒落斎 |
漢字の部首ちょっと立読み | ||
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35 | ふうが添削コーナー会友招待席ちょっと立読み | 高木良多 |
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36 | 「お茶の水俳句会」の歴史 | 井上芳子編 |
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44 | 「東京ふうが」の歴史年表 | 井上芳子編 |
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61 | あとがき | 蟇目良雨 |
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62 | 句会案内 | |
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表3 | 東京ふうが歳時記 < 20 >【 春 】 | 編集部選 |
大相撲の一こまに何を切り取るのかは中々難しい。どの場所でも粋筋のお姐さんがいて華やぐところがあるが、さて、初場所は特に華やぐところが著しいと言っている。静かな読み振りが成功した句。
流れ星を夜這星と言い換えたことで物語性が出た。「這う」という言葉の持つニュアンスが低い夜空を次々に流れる星とうまく響きあった。海辺でもよく、大きな湖畔の景色としてもいろいろ鑑賞がすすむ。
季語は百合であるが珍しい使い方。百合の花が蝶に見えたということであるが、書庫の暗がりに活けられた百合が、ふと見た瞬間に蝶のように見えた驚きが一句の眼目。書庫の措辞に作者の生き様がよく出ている。
秩父は山が連なっているので電車が通るたびにその反響が鳴りわたってくるのである。
そのひびきの中で秩父の生んだ著名な俳人であった金子伊昔紅・兜太父子を偲んでいるのであろうか。今日は桃の節句の日であるからである。
上五「よく動く」の説明がよく効いていて蟹の特色が簡明に捉えているので年の市がよくわかる句となっている。無駄な言葉は使わず、俳句は短いから省略することが肝要。
鑑真は唐の学僧で日本律宗の祖。七五三年に来日のときの暴風のために失明したが聖武上皇以下に授戒、のち唐招提寺を建立・鑑真廟に祀られている。今日はセーラー服の女子学生が大ぜい見えている。
鑑真廟と夏服の女子学生の対象が鮮やかに描かれていて良い。
お母さんの着ていた大事な紬織りの着衣なのであろう。縁側に干してしばらくその思い出にひたっているという更衣の句。