蟇目良雨 のすべての投稿

能登人はおほかた無口鰤起し

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成28年冬季新年号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報368回〜369回より選

能登人はおほかた無口鰤起し  深川知子

よく言われるのは、みちのくの人や日本海側の人は無口だということ。寒いから、風が強いから口を開けるのが面倒であるという理屈である。
津軽、秋田で「ゆさ」「どさ」「け」という短い言葉がある。どこに行くの?が「どさ」。お湯に行きますが「湯さ」。食べなさいが「け」。じつにシンプル。作者は能登に行ってこれに近い言葉の体験をしたのだろう。鰤起しが鳴り渡っていて恐れる作者に対して能登人は何も言葉をかけてくれなかったのだろうか。因みに作者はおしゃべりな小倉人。


季刊俳誌「東京ふうが」44号(平成28年冬季新年号)発行

通巻44号 平成28年冬季新年号が発行されました


季刊俳誌東京ふうが 平成28年冬季新年号通巻44号

[ 表紙の俳画 ]
懸大根 蟇目良雨
[ 表紙の俳句 ]
鉢植えの大棕櫚竹や去年今年 高木良多
【特集】
美しき山神地祇を詠む
宮川杵名男の句集『律儀』の背景        高木良多
【最終回】
旅と俳句 台湾紀行(三)           石川英子

 

[ その他の内容 ]
欣一俳句の鑑賞 / 八千草日記 / 寄り道 高野素十論 / 曾良を尋ねて / 遊ホーッ / 新年詠と自句自解 / 会友招待席/ 東京ふうが歳時記

最新号へ
既刊号一覧へ

東京ふうが44号(平成28年冬季新年号)

編集人が語る「東京ふうが」44号

「東京ふうが」編集人より

季刊俳誌東京ふうが 平成28年冬季新年号通巻44号

 田島和生著『振興俳人の群像「京大俳句」の光と影』を読む機会があり感じたのであるが、かの大戦中に、俳句のような手すさびの文芸に携わっていた人達を何故あのように過酷なまでに苛めたかは、官憲が俳句の持つ影響力に恐れをなしていたからだと思う。そういう意味で戦後出た桑原武夫の「第二芸術論」は的外れな論であった。俳句は十分に人の心を揺さぶるいわゆる芸術の力を持っていたからである。
桑原の執筆のきっかけは雑誌『世界』の編集者から埋め草のような文章を書いてと頼まれ「一晩で」書いたのがあの「第二芸術論」である。読者というものは誌面から情報を受け取るだけで、その裏に起きている恐ろしい事態(例えば「京大俳句事件」)など知る由もないのである。桑原もその意味では俳句も短歌も知らない「三尺の子」であり、だから純真に俳句を批判できたのだと思う。そして言論を統制していたGHQのお眼鏡に叶っていたということも忘れてはいけない。背景を知ることの大切さをこの書から学んだ。
蟇目良雨

目 次


1 名句逍遙
欣一俳句の鑑賞<23> 高木良多
良多俳句の鑑賞<23> 蟇目良雨

2 作品7句と自句自解ちょっと立読み

7 八千草日記 高木良多
<17> 吉祥草ちょっと立読み
<18> シクラメン

8 墨痕三滴(俳句選評) 蟇目良雨

11 寄り道 高野素十論 15ちょっと立読み 蟇目良雨

23 美しき山神地祇を詠む
宮川杵名男の句集『律儀』の背景ちょっと立読み
高木良多

26 曾良を尋ねて 第27回 乾佐知子
78 -殺生石、白河の関、須賀川へ –ちょっと立読み
79 -福島から仙台へ –

28 第5回 遊ホーッ 洒落斎
紫禁城 ちょっと立読み

29 旅と俳句 台湾紀行(三) 石川英子
7. 3月17日(火)台北へ帰る ちょっと立読み
8. 3月18日(水)帰国
9. 李登輝氏の「いま日本に望むこと」他
10. あとがき

32 インフォメーション●他誌掲載作品・書評など

36 会友招待席・会友句添削と鑑賞 -句を磨く- 高木良多

 37 あとがき

38 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <23> 編集部選


季刊俳誌「東京ふうが」43号(平成27年秋季号)発行

通巻43号 平成27年秋季号が発行されました


月刊俳誌「東京ふうが」平成27年秋季号通巻43号表紙

[ 表紙の俳画 ]
桔梗 蟇目良雨
[ 表紙の俳句 ]
口能登の砂の高きに登りけり 蟇目良雨


【特集】
野田晶子俳句の詩型   高木良多
【特集】
東日本大震災を風化させない俳句力   松谷富彦


[ その他の内容 ]
欣一俳句の鑑賞 / 八千草日記 / 寄り道 高野素十論 / 曾良を尋ねて / 遊ホーッ / 旅と俳句:台湾旅行 / 秋季詠と自句自解 / 会友招待席 / エッセー:ネコの家出 / 東京ふうが歳時記

最新号へ
既刊号一覧へ

東京ふうが43号(平成27年秋季号)

編集人が語る「東京ふうが」43号

「東京ふうが」編集人より

月刊俳誌「東京ふうが」平成27年秋季号通巻43号表紙

ようやく秋号を発行できた。いろいろ忙しかったせいによるが、思えば忙しいことはありがたいことである。忙しさが否応なく怠惰な自分を牽引してくれるからだ。新しい会員も増えて少しずつ遣り甲斐も膨らんでゆく。同人のそれぞれが好きなテーマを見つけて発表する場になってくれればいいと思っている。新年・冬号は早めに刊行するつもりで予定している。
蟇目良雨

目 次


1 名句逍遙
欣一俳句の鑑賞<22> 高木良多
良多俳句の鑑賞<22> 蟇目良雨

2 作品7句と自句自解ちょっと立読み

7 八千草日記 高木良多
<15> ホトトギス草ちょっと立読み
<16> 貴船菊

8 墨痕三滴(俳句選評) 蟇目良雨

10 寄り道 高野素十論 14ちょっと立読み 蟇目良雨

19 野田晶子俳句の詩型ちょっと立読み 高木良多

21 曾良を尋ねて 第26回 乾佐知子
75 -清水寺顛末記と芭蕉の書簡 –ちょっと立読み
76 -清水寺書簡に関する一考察と「室の八嶋」 –
77 -日光から黒羽へ –

24 第4回 遊ホーッ 洒落斎
①ミレーの絵 ちょっと立読み

26 旅と俳句 台湾紀行(二) 石川英子
5. 3月15日(日)特急列車で台南へ ちょっと立読み
6. 3月16日(月)安平台壁見学・高雄

30 「東日本大震災を風化させない俳句力」ちょっと立読み 松谷富彦

33 インフォメーション●他誌掲載作品・書評など

34 会友招待席・会友句添削と鑑賞 -句を磨く- 高木良多

35 エッセー「ネコの家で」 麻生勝典

あとがき

36 句会案内

表3 東京ふうが歳時記 <22> 編集部選


始まりも終わりも静か松手入れ

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成27年秋季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報365回〜367回より選

始まりも終りも静か松手入れ  松谷富彦

松手入れには凡人の知らない世界があるのだろう。手を付ける前に長考している頭領の姿をよく目にする。人の寿命以上に長生きする松をどのように成長させていくか遠大な構想をもって手入れしている。終始静かで哲学的でもあるのは松に相応しい。


大夏野割って来たりし牧草車

蟇目良雨講評
東京ふうが 平成27年夏季号「墨痕三滴」より
お茶の水句会報362回〜364回より選

大夏野割って来たりし牧草車 乾佐知子

大夏野の中を分けてはっきりとやってくるのは牧草車。牛馬の飼料にする夏草を刈ってそれを運んでくる。草はロールにされて保管される。揚句は大夏野を刈り取りながらロールに仕上げる高級な牧草車かも知れぬ。新しく刈った草の筋がはっきりと見えてくる。


東京ふうがとは

私達は都会の郷愁と風雅を俳句とエッセーに掬いとる俳句同人集団です。

お茶の水俳句会・春耕駿河台句会の同人による活動を年4回・季刊俳誌「東京ふうが」として発表しています。平成5年8月にお茶の水俳句会・春耕駿河台句会100回記念号が「東京ふうが」の第1号となりました。以降、同人の活動も俳句だけにとどまらず、俳句地誌、俳句紀行文、作家研究、エッセーと活動のフィールドを拡げています。ご興味のある方は、当ウェブサイトは勿論のこと、本誌もお手にとってどうぞご覧ください。

季刊俳誌「東京ふうが」
編集長  本郷民男
編集人  蟇目良雨/松谷富彦/深川知子
スタッフ 島村若子
発行所  お茶の水俳句会
〒112-0001 東京都文京区白山2-1-13

定期購読・入会案内

見本誌
● まずはお問い合わせフォームより在庫の有無をお確かめください。
1冊500円(切手可)
購読会員
●「東京ふうが」を年間4回お届けします。投稿は出来ません。
会費 年間2,000円(前納制)
投稿会員
●「東京ふうが」に俳句作品7句と1句自句自解(400字)を掲載出来ます(添削する場合があります)。
● 掲載誌「東京ふうが」を1冊お届けします。
会費 年間4,000円(前納制)
句会会員
毎月の句会(現在は、お茶の水句会)を通して俳句の向上を目指します。
● 毎月句会報発行。
●「東京ふうが」に俳句作品7句と1句自句自解(400字)を掲載出来ます。
●エッセイなどの原稿を400字詰め原稿用紙3枚半まで掲載可能。(電子データで提出)
●「東京ふうが」を2冊差し上げます。
会費 年間18,000円 (月払い/毎月1,500円)

東京ふうがの歴史(年表)PDF


申し込み
〒112-0001 東京都文京区白山2-1-13
東京ふうが社
会費はなるべく郵便為替でお願いいたします。

俳句鑑賞

「墨痕三滴」佳句短評

蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報396号以降)

俳句鑑賞「墨痕三滴」

高木良多、蟇目良雨による俳句鑑賞。(お茶の水俳句会会報395号まで)